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【ザ・ファブル】
正体を隠した最強の殺し屋が一般人として過ごすというストーリーの漫画です。
殺し屋という、あまりにも関わりのない職業?に従事しているファブル:佐藤明(アキラ)は、やはりというか一般人とはかけ離れた生活習慣を持っています。
その一つの例として、極めて高いサバイバル技術を有しています。
幼少期にナイフ一本を持たされて山に放り込まれるという虐待的な教育を施されました。
そんな彼は成人して殺し屋として有能になった今でも山籠りを定期的に行っています。
単行本8巻にて、彼に憧れるヤクザの「クロカワ」と共に、二泊三日の山籠りを行います。
この記事では、アキラが披露するサバイバル術を解説します。
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サバイバル技術
見ての通り、人気の無い山中で二泊三日を過ごすにしては最小限の装備です。
詳細には描かれていませんが、ナイフ一本と水筒、小型のウエストポーチのみで山に分け入っていきます。
ナイフと水筒、着火具のみでも、技術のある人なら十分に生存が可能とは言われています。
つまり、アキラもその領域にいるということでしょう。
そういった前提で、各シーンを細かく見ていきましょう。
動物の生態、習性の知識
山に入ってすぐに、野生の猪と遭遇します。
人のヒザ程度の体高の個体ですが、アキラはその危険性を熟知しています。
猪はおそらく自分達に気付いているが、目があまり良く無いため、細かな位置までは特定されていないと判断。
猪が自分達に興味を無くすまで動きを止めます。
猪の体重と速度で突進され、牙が体に刺さろうものなら簡単に人体は破けてしまいます。
病院どころか助けすら呼べないような山中でそんな傷を負えば、まあ助からないでしょう。
やがて警戒を解いた猪ですが、さらなる接触を避けるために来た道を戻って迂回することにしました。
同行していたクロカワからは、疲労から不満の声が上がりますが、アキラは身体に穴が開くよりはいいだろうという至極当然の理屈で返答します。
基本的に野生動物は人間(外敵)との接触を避けます。
人間は大抵の場合は野生動物よりひ弱な存在ですが、ほとんどの動物はそれを知りません。
動物サイドとしても、無用な争いで怪我を負うことは死に繋がるため避けようとするのです。
互いに適度な距離を保ち、刺激し合わないことが野生での鉄則です。
ただし、危険な出会い方をしてしまうこともあるでしょう。
接触が避けられない場合は、自分のほうが強いのだと思わせることで直接の交戦を避けられるかもしれません。
作中ではクロカワがツキノワグマに遭遇します。
混乱したクロカワは絶対にやってはいけない「死んだふり」をしてしまいますが、そこにアキラが助けに入ります。
ナイフを抜き、手足を大きく広げて大声を出します。
加えて近くの木を蹴ったり、木の枝を振り撒いたりして力をアピールします。
ナイフは最悪の場合の戦闘に備える他、少しでも身体を大きく見せる効果があります。
身体を大きく見せるというのは動物の世界では非常に有効です。
怒っている猫を見たことはありますか?
毛が逆立ち身体が大きく見えます。
さらに身体を横向きにして目視できる範囲を広げます。
そうすることで「俺はでかいぞ!強いぞ!」と思わせ、直接の争いを避けるのです。
上述の通り、野生の世界では怪我は死に繋がるものですので、実際に戦うのは最後の手段です。
熊と遭遇するというパニックになる状況で、アキラは冷静にそれと同じことをしているのです。
食料の確保
さらに山中行軍を続けるアキラとクロカワ。
その道中でクロカワが蛇を見つけます。
驚き声を上げるクロカワに対してアキラは「でかした」と一言。
そして画像のような行動に出ます。
蛇は頭蓋骨の他は殆ど背骨のみであり、200個前後の数があります。
さらに全身が筋肉で非常に広い可動域を持ちます。
つまり、捕まえてもモタモタしていると腕に絡みつき、締め上げながら噛みついてきます。
そのため、捕まえた瞬間に振り回して木や岩に叩きつけると反撃されることなく殺すことができます。
身体を振り回された遠心力に勝てる力はありません。
基本的にこの行動で即死させることができるので、無駄に苦しめることもありません。
その後で首をナイフで切り落としました。
新鮮なうちは動き続けますが危険はありません。
極めて効率的に食糧にしてしまいました。
切断面に切り込みを入れて、靴下を脱ぐように引っ張ると綺麗に剥けます。
多くの場合に内臓も一緒に剥がれますが、もし残っても肋骨がないため簡単に外すことができます。
その際は内臓を破かないように注意しましょう。
木の棒に巻き付けて焼くことで簡単に調理できます。
フライパンで焼くわけではないうえに脂っ気もないので熱で乾燥します。
蛇は小骨が多いものの鶏肉に似た味がし、タンパク質の量も豊富なので食料として優秀です。
昆虫も食料にします。
日本では食べる習慣を持つ地域は限られている上、見た目がネックになり食料として見られることは少ないでしょう。
しかし、タンパク質の含有量は牛肉の約4倍で優れた栄養源です。
外皮を構成しているのはエビと同じキチン質で、味も海老に似ています。
作中で食されたバッタは後肢が発達しており、棘もあるため食べる際は取り除く必要があります。
食べられないことはありませんが、口や食道、胃を傷つける可能性があります。
ほとんどの山に自生している松は、実はお茶になります。
松葉茶と呼ばれるのですが、松の葉をお湯に入れて茹でることで、含有しているビタミンがお湯に溶け込みます。
松の香りがしてなかなか美味です。
作るのも簡単で身体も温まるのでサバイバルに限らず、身体にいいお茶と言えます。
作中では描写されていませんが、松は樹脂が豊富で可燃性が非常に高い優れた焚き付けになります。
いわゆるマツヤニであり、焚き火の高寿命化や効果的な松明の作成に使えたり、簡易的な接着剤にもなります。
応用して傷薬にすることもできます。
裂傷などの傷口に塗ることで止血や傷口の保護が可能です。
樹脂は身体に吸収されないため安心です。
シェルター作り
サバイバルにおける優先順位をご存知でしょうか?
多くの人が食料を思い浮かべると思いますが、実際は食料は一番最後です。
最も優先すべきは安全の確保、ひいてはシェルターの確保です。
自然環境においては体温の低下というのは死に直結します。
夏場は問題ありませんが、人間の身体の保温能力は高くはありません。
アキラは比較的簡単なAフレームのシェルターを作りました。
体温は空気中に常に放出されます。
覆いがなければ際限無く体温が奪われるので、覆いを作る必要があります。
自分の体温で周囲を温めるのです。
そのため、シェルターは小さい方が効果的です。
服や寝袋で体温を維持するのと同じ考えですね。
作中では特別描写はされていませんが、地面から奪われる体温もバカにできません。
家の中でも冬場に床で寝ているとどんどん身体は冷えます。
地面はどんどん熱を奪い、奪った熱はそのまま周囲に広がってしまいます。
それを防止するには、太めの木の枝をイカダのように並べてベッドにしたり、葉っぱや苔を敷き詰めることで保温が可能です。
アキラのシェルターも同様の構造になっていることでしょう。
装備を改良する
ナイフを手頃な木の枝に括ることで槍を即席で作れます。
蛇などの危険な動物に近寄ることなく狩りをすることができるし、素早く動く動物も捕まえやすくなります。
投げ槍で離れた獲物を攻撃することも可能です。
しかし、ナイフを一振りしか持っていない場合は、槍の刃先にナイフを使うのはお勧めできません。
ナイフは全ての基本になる装備であり、投げナイフなどで失う可能性のある装備に転用するのはリスクがあります。
なるべく身に付けておくべき装備です。
できれば予備のナイフや、手頃な石英などの尖る石、もしくは木の先を鋭く削ることで作った方が安心できます。
装備
先に述べた通り、アキラはナイフと水筒を主装備としています。
それぞれを解説します。
ナイフ
いわゆる「ランボーナイフ」と言われるタイプで、映画ランボーで使われていたコンセプトの製品です。
ランボーのヒットから、サバイバルナイフといえばこのタイプという認識が一般的になりました。
見た目のインパクトが強く、大柄なためナタのように重さで叩き切ることも可能です。
特徴としてグリップ内が空洞になっており、小物を収納することが可能です。
糸や針、マッチなどを入れるのが一般的です。
キャップになるグリップエンドには方位磁石が付いており方角も確認できます。
サバイバルに必要な便利グッズが一体化しています。
しかし、グリップが中空ということから強度についてはやや心もとない製品になります。
そのため、ナイフ戦闘に使用される可能性のある軍では使用されているケースはほとんどないそうです。
大きすぎるというのも問題で取り回しに難ありで、調理や細かい作業には向きません。
そのため、サブのナイフを持つ方がいいでしょうが、装備の充実はアキラの求めている環境ではありません。
また、ナイフのシースにはファイアスターターが取り付けられています。
現代式の火打ち石で、マグネシウムの火花を利用して着火する道具です。
数千から数万回は発火をさせられる上に、濡れても使えます。
長期的に火を起こしたい時はライターよりも有効です。
水筒
人間が生きていくためには水が不可欠です。
人間の体内にある水分だけでは、三日程度しか生きられません。
これは誤解されやすいことですが、三日間動けるという意味ではありません。
実際にはもっと早くに脱水症状で動けなくなり死につながるでしょう。
アキラのもつ水筒はいわゆるG.Iタイプで、水筒と本体に合わせた形状の鍋がセットになったものです。
描写を見るに、ベア・グリルスのモデルがモチーフになっているようです。
容量はおよそ1L。
鍋は500ml程度の容量があります。
ポーチにはベルトルーフがあり、腰につけたり肩紐とつなげることで身に着けることが可能です。
以下に私が所有している同モデルの写真を載せます。
水場を見つけたときに、持ち運ぶ手段がなければ行動範囲を広げることはできません。
また、鍋が付属していることで煮沸消毒が可能です。
浄水器は自作が可能ですので、川の水でも飲用に変えることが可能です。
パラコード・ブレスレット
パラシュートに使われているコードで、非常に強度の高い紐になります。
紐は複数の細い繊維製の糸が束になっており、それを樹脂繊維が覆うことで一本のコードになっています。
アキラはブレスレット状に編まれたものを手首につけて持ち歩いています。
身に着けることができ、解くことでそれなりの長さの紐を入手することができます。
また、内部の糸を取り出すことで釣り糸や縫い糸に転用することが可能な優れものです。
シンプルなものから方位磁石が編み込まれた多機能タイプなど様々な製品が販売されています。
とはいえ、パラコードそのものは安価に販売されているので、そちらを買って自分で編み込む方がお得です。
編み上げるのも楽しいですし、靴紐をパラコードに変えることで携行量を増やすこともできます。
まとめ
さすがにクマとのバトルは実写にできませんが、それはそれで面白いのが映画ファブルの魅力の一つです。
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サバイバルの基本装備はナイフ・水筒・着火道具になります。
これらをアキラのようなプロが使うことで、山の中でも長期間生活することが可能です。
とはいえ、フィクションということを除いても、災害時やキャンプの時などに有していると便利極まりないスキルになります。
ここまで読んでいただけた方は感づいているかと思いますが、私はサバイバル系が好きです。
自分で道具も買いますし、使いこなすために練習もしました。
いざという時のためにみなさんもぜひ一度お試しいただけますと、アウトドア趣味にもなりますし生存の可能性が高まりますので、いかがでしょうか。
ご意見ご感想は Twitter:@tanshilog まで頂けますとうれしいです。
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