皆さんはブログを開設した際に、せっかくだからとツイッターで新しいアカウントを取得し、同じようなブログ初心者の人と交流したり、自分の記事や自分自身について発信しようと考えていることでしょう。
実際にその行動には効果がありますし、友達ができたり有益な情報を収集することも期待できます。
しかし、それ以上に厄介なのが、「勧誘」です。
「私はブログで月に○桁稼いでいます。頑張っているあなたを応援したくてフォローさせていただきました」
といった具合にどんどんとフォロワーが増えていきます。
実際にブログとTwitterを始めてみると実感できるはずです。
なんか、うさんくさい。
実績ばかり語るけど具体的な証拠が出てこない。
本当に簡単に儲かるの?
はじめに、言うまでもないことですが、
誰もが簡単に短時間で儲かる方法はあるかもしれませんが、誰かからその方法を教えてもらうことはあり得ない
と思っていてください。
この記事では、ブログ初心者が実際に体験した「勧誘」についてご説明します。
Twitter:@tanshilog
誰でも簡単に稼げるなら誰もが大金持ちです
ブログを解説し、関連づけたTwitterアカウントを公開した途端に、凄まじい勢いでフォロワーが増えていきます。
プロフィール欄の「ブログ始めました」などのキーワードを検索して一生懸命追加しているのでしょうか。
数週間は大して何も呟かなくてもフォロワーが勝手に増えていきます。
中には、自身もブログ初心者のため、情報収集や交流を目的にフォローしてくださる方もいます。
しかし、私の場合はそうでない人が圧倒的に多かったです。
初心者をカモにする人。
簡単に言えば「勧誘」です。
ブログを拝見しました。目的は収益化でしょうか?と繋がる
「はじめまして、フォロバありがとうございます」
「どんな仕事をされているのですか?大変ですよね?」
「私はもともと(辛い会社勤め)をしていて、副業に興味があって副業を始めました。今では会社に依存しない収入を得ています。あなたも少しでも収益を得ようと思って始めたのではないですか?」
「副業に興味はありませんか?」
「Twitterはどんな目的で使っていますか? ブログへの集客につなげたくないですか?」
「仕事の給料の他に収入を得られたら嬉しいですよね?」
「私は簡単な作業で月6桁を安定して稼げるネットビジネスを展開していますが、興味はありませんか?」
「是非一緒に頑張りたいので、一度通話できませんか?」
これらは全て私のアカウントをフォローしてくれた「ブロガー」や「WEBマーケター」「WEB起業家」の方々からいただいたDMです。
はじめましての挨拶以降、怒涛の勢いで質問を仕掛けてきます。
アカウント開設後の数週間で、数十人からDMをいただきましたが、マニュアルでもあるのか、いくつかの手法に偏っています。
捲し立てタイプ
こちらからの反応があると、
現状に不満はないか
それを解消することに興味はないか
と続き、
もし簡単な副業で月6桁以上の収益があれば嬉しいと思いませんか?
といった話を勝手に進めます。
私の提唱する方法なら再現性があり、たくさんの人のコンサルをしてきたと、実績(になるのか?)のようなことが付け加えられることも多いです。
正直言って、今以上に収入が増えて困る人なんていないのですから、意味のある営業トークではないのですが、マニュアルにはそれは書いていないのでしょうね。
マンション投資の電話と同じです。
こちらが口を開く暇を与えず、イエスと答えるのが至極当然の質問のような呼びかけの時だけおとなしくなるタイプの鬱陶しい流れです。
イエス誘導法という、人の心理的な性質の一つである一貫性の原理を応用したテクニックがあります。
肯定的な言葉を連続して言わせることで、その人の気持ちを前向きなものにするという有名なものです。
実際のところ、人間の心理はある程度共通の反応をするので、心理学者が研究の上で提言した心理学的テクニックは間違いではないでしょう。
安易な勧誘メッセージを送ってくる人も、イエスと答えるのが当たり前の質問を繰り返すことで、イエス誘導法の効果を期待しているのでしょうが、なにせ急ぎすぎです。
マニュアルに書いてあることを何も考えずに実施している、という印象しかありません。
急いては事を仕損ずるというように、何かを成し遂げるためには土台作りから時間がかかるものです。
大半の人にとって、大なり小なり現状に不満はあり、今以上の収入を求めていて、収入を得るための方法は簡単であればあるほど魅力的です。
当たり前のことを言われても当たり前の感想しか湧きません。
こんなことは当たり前のことを、会ったばかりの人がいきなり言ってきても「はい、その通りですね」と答えたところで気持ちが近づくことはないですよね。
その質問に対して同意はしますが、共感するかと言われれば微妙です。
会って早々に「簡単に稼げる上手い話がある、一つ乗らねえか?」と持ちかけられても、「はい、喜んで」とはならないでしょう。
信頼関係のない状態では人は動かないというのを、ビジネスを仕掛ける側になると忘れてしまうのが人間というものです。
例えば、簡単に稼げるからと高額のコンサル料を支払い、その分の投資額を早急に回収したいと思うような人は特にそうでしょう。
何かを購入するときは、商品そのものか売っている人や組織を信用できるというのが前提条件です。
裏路地でこっそりと商売を持ちかけられても、安易には受け入れないという当たり前のことが分からなくなっている人が、こういう営業をかけるのです。
コンサルタイプ
自分の運営しているブログについて意見をくれる人がいます。
特に初心者のうちはPV数は雀の涙ほどなので、本当に記事を見てくれたのは統計情報を確認すれば一目瞭然なのですが、たぶん悲しい結末に終わるだけなので無意味です。
ところで、本当に記事を見たの?
「あなたのブログ記事を拝見しました」
「とても分かりやすくて興味津々で読ませていただきました」
「収益目的でブログを運営していると思いますが、現在では個人単独で稼ぐのは困難です。私の主催しているグループでノウハウを学びませんか?」
「通常料金はコレコレいくらですが、このDMも何かのご縁ですので30%引きで結構です」
私のブログを見たと言いつつも、具体的な内容や良し悪しには触れません。
馬鹿の一つ覚えのように営業トークを早々に始めます。
こちらからの「見ていただいた中で面白かった記事や、つまらなかった記事についてコンサル抜きにした意見が欲しい」というメッセージについてはスルーです。
それを知りたければコンサル生になってというなら分かるのですが、この時点でやりとりが終わってしまいました。
とはいえ、中には本当にアドバイスをくれる人も
ブログ始めたて、それこそ「Googleにインデックスされるとはなんぞや?」レベルの時に、非常に丁寧に意見をくださった方がいらっしゃいます。
私の記事をいくつか読んでいただき、ASPがなくアドセンスのみであることから、インデックスされていないため収益が望めないとストレートにアドバイスをいただきました。
何度かやりとりをし、根本的なことから実践的なことまで幅広くアドバイスをいただき、多くの時間を割いてくれました。
その後に何か営業をかけられるのかと思えば、「お互い頑張りましょう!それでは!」とそれっきり。
未だに相互フォローではあるものの目立ったやりとりはしていません。
中には聖人と呼ぶべき初心者を助けてくれる良い人がいるのも、また事実です。
公式LINE誘導タイプ
「(辛い境遇)の私が、今では時間も場所も選ばず一日数時間の作業で(魅力的かつ曖昧な金額)以上を稼いでいます。お陰で家族と過ごす時間も増え、私は空いた時間で趣味に没頭しています。そのためにしたことはプロフのあれ」
こんなTweetが溢れているのがブログやマーケティング界隈のTLです。
なぜかみんなプロフィールに誘導したがるんですよね。なぜ???
そしてプロフを見に行くと公式LINEへのリンクが貼ってあり、友だち追加を勧めてきます。
メルマガの登録ページというケースもあります。
これまたなぜか、みんな似たようなレイアウトのサイトに飛びます。
まあ、実際にどんなLINEが来るのか見てみましょう。
まずはTwitterフォロワー1500名、公式LINE登録者数400名ほどの方の自動メッセージです。
「平凡な自分もこの方法で人生観がまるっきり変わりました」
「みんな知らないけど、簡単かつ短時間で終わる作業で安定収入が見込めるのです」
「さあ、一緒にやりましょうや」
要約するとこんな具合のメッセージが届きます。
さて、この文章だけを見れば、単なる営業トークです。
それでは、続けて次のメッセージをご覧ください。
Twitterフォロワー200名、公式LINE登録者数2名(私が登録した時点では1名なので、私が2人目です)の方からの自動メッセージです。
あー、なるほど。
やっぱりマニュアルがあるんですね。
といった感想を叩きつける以外にすることがありませんね。
文面の大半が同じ内容です。
マルチ商法や鼠講の典型的な手口です。
高額なコンサル料を払い、誰かの編み出した「簡単に儲ける手段」を実践している結果がこれなのでしょう。
多分「コンサルの指示する文面を公式ラインで流して客を集めればお金を出しますよ。公式ラインを設置してツイッターで情報発信しているだけで勝手に客が入ってくるので実質不労所得です」とでも言われているのでしょう。
いやいや、このご時世にカモになる程ピュアな人がそんなにいるとも思えません。
中の人は案外少数で、複数のアカウントを回しているのかもしれません。
元のTwitterアカウントを見てみると、自己啓発というか前向きなだけの薄い内容を呟いているだけのことが多いです。
影響力のある誰かが呟いたことを、味付けを薄くし、スライスし、微塵切りにしてばら撒いているような感覚です。
ちなみに、この先にさらに進むと、これまたテンプレートな勧誘が始まります。
おそらく、この人が引っ掛かったであろう商材を購入できる、もしくはコンサルと直接面接できる場をセッティングしてくれるでしょう。
興味があり、時間もある方は是非ご体験ください。
もしかしたら本当に役に立つことをえられるかもしれ得られるかもしれませんし、何もなければブロックすればおしまいです。
まあ、マジでおすすめはしませんが。
まとめ
佐藤(仮名)「これはマジな話なんだけど(なんだかとても前向きな言葉)。一緒にがんばろ?」 鈴木(仮名)「佐藤さん!確かに(なんだかとても前向きな言葉)の通りだと思います。その言葉を胸に毎日前向きにタスクをこなしていきます!」 佐藤(仮名)「鈴木さん!リプありがとうございます。本当にその通りですよね。なりたい自分になれるよう頑張りましょう」
みんな本当にこんなノリでTwitterでやり取りをしています。
なぜいちいち名前を呼び合う…?
たぶん、名前を呼ぶことで相手の承認欲求を刺激できたり、カクテルパーティー効果で相手に自身のことを意識づけることができるなどの目的があるのでしょうが、いまいち共感できません。
ちなみに、初めてこの光景を見て思い浮かんだのが以下の画像です。
兵藤会長の発破に対して、やる気を刺激されて涙ながらに吠える男たち。
あるいは意識高い系の大学生。
夢を追っている自分に溺れ、ノウハウやモチベーションの上がる言葉のコレクターになってしまった者たち。
成功した自分を演出したくて独特の言い回しをしているつもりが、なぜか量産型になってしまった者たち。
まあ、これに関しては私のひねくれた感想であり、良い悪いという問題ではないのですが。
はじめに書きましたが、誰もが簡単に時間をかけずに儲けられる話が世の中に出回ることはないと言っていいでしょう。
仮にあなたがそんな手段を確立したとして、それを周りに有料販売しますか?
私だったら自分だけのものにします。
ちなみに、こういう理由付けで攻めてくるケースもあるようです。
「自分はこの方法で十分に金を稼いだので、他の人にもこの稼ぎ方を格安で教えたい」
そう言われたあなたは、きっとこう思うことでしょう。
「なんで金をとるんだ、お前が金に困ってないならタダで教えてくれ」
「慈善のためなら金をくれ」
シンプルに考えればあり得ないような営業方法がまかり通っているのは、ひとえに引っかかる人がいるからでしょうね。
釣れる獲物を増やすために設置する餌を増やすのは常套手段です。
悩める人に寄り添うような、モチベーションを挙げられるような、そんな耳触りのいい言葉を並べてフォロワーを増やし、罠をばら撒くのです。
どこかの誰かが引っ掛かってくれればラッキー、といった具合に、猟場も考えずに罠を張り巡らせているのです。
今回紹介したようなアプローチに引っかかる人はまずいないと思います。
しかし、上述したイエス誘導法などは、専門的な知識と経験を持った人が、十分な時間をかければ絶大な効果を発揮します。
マニュアルだけ見て仕掛けてくるような間抜けと違って、中にはプロがいるのを忘れてはいけません。
人の心理には返報性の原理が働きます。
良くしてくれる人、好きな人には好意で返してしまうのが正常な人間です。
それにつけ込んで私欲を満たす類の異常な人間もいます。
詐欺師っていうんですけどね。
ブログというのは、本来自分の好きなことを誰の迷惑にもならずにできる素敵な行為のはずです。
だからなのか、この界隈にこういう詐欺師もどきが蔓延っているのはなかなか悲しいものですね。
Twitter:@tanshilog
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