【解説】雛見沢連続怪死事件の真相【オヤシロ様の祟り】

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引用元: https://dengekionline.com/elem/000/001/577/1577295/
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ひぐらしのなく頃にシリーズで発生している怪死事件である

雛見沢連続怪死事件


通称


オヤシロ様の祟り


個々の事件としては一応の解決を見ているものの、

昭和53年以来、毎年綿流しのお祭りの日に一人が死に一人が消える事件が連続しています。


ひぐらしのなく頃にという作品において様々な事態を引き出すファクターですが、普通に作品を楽しんでいるだけでは分かりにくい部分も多くあります。


本作は「信用できない語り手」という手法が多用されており、意図的に事実を曲解して読者に伝えているためです。


この記事では、雛見沢で毎年発生していた連続怪死事件について解説を行います。


ご意見ご感想は Twitter:@tanshilog まで頂けますとうれしいです。



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1年目:ダム現場監督バラバラ殺人事件

【概要】

昭和53年に計画が進められていた雛見沢地区が沈むダム工事プロジェクト。

その工事を統括する現場監督が作業員と口論となった末に殺害され、遺体をバラバラに切断された事件です。

同時に犯人の一人が行方不明になっています。


【真相】

ダム工事に断固反対する雛見沢住人が結成した「死守同盟」は、過激な方法をもってダム工事を妨害してきました。

暴力事件も頻発し暴動と化した反対運動には、警察も機動隊を出動させて鎮圧にあたっています。


そういった高ストレス環境下で、現場監督は「雛見沢症候群」を発症してしまいます。


雛見沢症候群については下記記事をご覧ください。


凶暴性の増した現場監督は現場事務所で無断で酒盛りをしていた複数の従業員を発見し、通常の注意を超えた範囲での行動に出てしまいます。


明らかに異常な行動をする監督に対して身の危険を感じた作業員は、揉み合いになった末に現場監督を殺害してしまいました。


その状況で作業員の一人も雛見沢症候群を発症します。


症状が進行した彼は、極度の人間不信に陥った彼は他の従業員が警察へ通報することを恐れます。

それを防ぐために、遺体を切断、殺害に加わった全員に配分し遺体をそれぞれ隠すよう強要しました。


犯人は6人で、頭部・胴体・右腕・左腕・右足・左足に切断した遺体の隠滅をそれぞれが担当しました。

しかし、発症した主犯格以外の犯人は良心の呵責に耐え切れず警察に自首をします。


雛見沢症候群を発症した主犯格は右手をもって逃走している最中に、事態を察知した「山狗」によって拉致されました。


山狗については下記の記事をご覧ください。


この時点で主犯はL5を発症しており、極度の錯乱と自傷行為を繰り返しています。


入江機関はL5発症者の「検体」を確保することができ、実験のために生きたまま頭部を切開し、雛見沢症候群の原因である寄生虫の採取に成功しました。


対外的には、現場監督の死と主犯の行方不明という事件として処理されます。


2年目:北条夫妻転落事故

【概要】

北条悟史・沙都子の両親が旅行先で崖下転落事故を起こしてしまいました。

夫の遺体は発見されましたが、妻は流されてしまい行方不明となります。


【真相】

北条家は再婚をしており、妻は悟史と沙都子の実母でしたが、夫は血のつながりがありません。


悟史は母親の選択を受け入れていましたが、まだ幼かった沙都子は血のつながらない父親を受け入れられていませんでした


さらに、北条夫妻はダム計画に賛成派だったことで村中から裏切り者として強い弾圧を受けていたのです。


ちなみに、ダム計画により立ち退かされる住人には国から補償金が支払われることになっており、そのメリットを取った結果の賛成でした。


そんな中で、北条夫妻は一時的に村を離れて観光地に旅行に行きます。そこには沙都子も同行していました。


父親は沙都子と仲良くしたいという思いを持っており、この旅行で親交を深めようとしていたようです。


沙都子の行為がきっかけで夫妻は崖下に転落するのですが、その原因は原作とCS版で異なります。


【原作】

複雑な家庭環境と村八分のストレスにより雛見沢症候群を発症していた沙都子は、この旅行は自分を殺すために両親が計画したものだと思い込みます。


疑心暗鬼に陥った沙都子は自分の身を守るために、断崖の公園で寛いでいた両親に近づき突き飛ばします。


さらに両親がもたれていた柵は前日までの嵐が原因で劣化しており、突き飛ばされた衝撃でがけ下に転落してしまうのです。


その後の警察の調査では、沙都子は車で寝ていたため両親の事故について何も知らないと供述します。


しかし、沙都子はこの時点でL5(-)まで症状が進んでおり、入江機関に確保されたのちに人体実験に回されそうになりますが、入江の尽力により試作段階にあった治療薬の被検体として解剖の運命を免れています。


【CS版】

原作同様、当初は良心が自分を殺すために旅行に誘われたと思っています。


しかし旅行中に漏れ聞こえた両親の会話から、父は沙都子と仲良くしたいだけなんだということを察した沙都子は冷静さを取り戻します。


そして、今まで拒絶してきた父親に対する贖罪の気持ちと、両親に甘えたい気持ちとで、断崖で寛いでいる二人に抱き着きました。


互いに受け入れられた喜びを嚙み締めたのもつかの間、その衝撃で柵は壊れ三人は落下しそうになります。


咄嗟に父親は沙都子を突き飛ばして助けますが、妻と共に崖下へ転落して死亡してしまいます。


自分のせいで両親が死んでしまった、自分が殺してしまったという思いからL5(-)を発症。

以降の扱いは原作と同じです。


3年目:古手夫妻怪死事件

【概要】

古手梨花の両親が謎の死を迎える怪事件です。

父親は服毒自殺、母親は遺書を残して鬼ヶ淵沼にて入水自作をしますが遺体は発見されていません。


【真相】

古手家直系の女子には、代々雛見沢症候群の原因である寄生虫の女王が感染していました。

当代の女王感染者は古手梨花になります。


雛見沢症候群の研究のためには女王感染者の協力が不可欠であり、入江機関は唯一古手家に対してのみ公式に接触し、協力の要請をしていました。


にわかには信じがたい話ではあるものの、当初は古手家は梨花に対する各種実験を容認していました。


しかし、骨髄液の採取などの梨花に負担が大きい実験が繰り返されるようになり、次第に母親は反発していきます。

そもそも古手家の巫女であった母親は信仰の対象であるオヤシロ様に科学的アプローチをすることに良い印象を持っていませんでした。


父親は婿養子であり、さらに梨花への実験に対しても比較的協力的だったために、それも母親のストレスになっていたようです。


結果、研究に対する協力を打ちきることを入江機関に対して一方的に宣言します。


研究が頓挫しかねない状況に鷹野は焦りますが、山狗の隊長である小此木が悪魔のささやきをします。

「両親を排除すれば研究は続けられる」

「そして山狗にはそれを実行できる能力がある」


その提言を受けた鷹野は2年連続で起きている怪死事件と関連性を持たせることで捜査を煙に巻くことを考えます。


つまり、1人が死に、1人が消えるということです。


研究続行を熱望する鷹野は、独断で山狗を動かし、父親を毒殺、母親を拉致します。


母親は古手家直系の女子であり、先代の女王感染者という、極めて価値の高い研究材料でした。


拉致された母親は生きたまま鷹野に頭蓋を切り開かれ、解剖された末に死亡したと考えられています(原作には具体的描写なし、コミックスには有り)。


結果、対外的には父親は服毒自殺、母親は自殺と考えられるものの遺体はないため行方不明として処理されました。


4年目:北条家叔母殺人事件

【概要】

2年目の事故で両親を喪っていた悟史と沙都子は、叔父叔母夫婦に預けられていました。

その叔母が撲殺死体として発見され、同時期に悟史が失踪した事件です。


【真相】

ダム計画に賛成派だった北条夫妻のせいで、叔父と叔母も雛見沢で不遇をかこっていました。

さらにその原因である一家の子供を押し付けられたとあって、叔父叔母は兄妹をいじめるようになります。


沙都子は特に叔母と折り合いが悪く、叔母に対してトラップを仕掛けたり反抗したりして火に油を注ぐします。


叔父も二人を虐めましたが、特に叔母は沙都子を目の敵にしていました。


そして、その怒りの矛先は沙都子を守ってくれる悟史にも向けられています


叔父叔母からの虐待、沙都子の勝手な行動に対して極度のストレスを感じた悟史は雛見沢症候群を発症します。


叔母を不法投棄現場に呼び出した悟史はバットで撲殺します。


その後、沙都子が欲しがっていたクマのぬいぐるみを買いに行く途中で入江京介に出会い、車に乗せてもらうことになります。


そのさなか、悟史は周りの人々の姿が叔母に見える幻覚を発症します。


そんな悟史の症状と、「あんなに殺したのに」と錯乱する悟史を見た入江は発症を確信。


その足で入江診療所に向かい、待機していた山狗が錯乱する悟史を確保し治療のために診療所地下へ運び込みました。


沙都子に投与した治療薬で治療を試みるものの効果は無く、L5(+)の発症レベルになってしまいます。


その後は対症療法的に鎮静剤で眠らせたうえで拘束し、入江機関にて治療が継続されることになりました。


結果、対外的には叔母の死と悟史の失踪として処理されました。


ちなみに、叔母殺害の重要参考人として警察が悟史の行方を探し始めます。

それに対して、入江機関の存在が明るみに出る可能性をつぶすために防諜部隊である山狗が各種情報操作を行いました。


遠方での悟史の目撃情報の捏造、および薬物中毒者を叔母殺害の犯人として仕立て上げることで悟史への疑いの目を回避しています。


5年目:富竹・鷹野殺人事件

【概要】

昭和58年の綿流しの日にフリーのカメラマンである富竹と、入江診療所看護婦の鷹野が殺害される事件です。

当初は鷹野は行方不明であり、のちに他県にて焼死体で発見されます。


【真相】

この事件のみ黒幕の都合で発生させられた陰謀的事件になります。


雛見沢症候群は女王感染者が死亡すると村人全員が急性発症すると考えられています。


その被害を防ぐために、万が一女王感染者が死亡した場合には、集団発症前に村人全員を殺処分するという「滅菌作戦」が秘密裏に計画されていました。


鷹野をそそのかして意図的に滅菌作戦を発動させ、その結果を政治的アクションに利用しようとする派閥が政府内に存在しています。


富竹は入江機関の監査を任務とした自衛官で、万が一入江機関が造反を起こした際には鎮圧部隊を呼べる権限を持っていました。


その富竹を殺害することが黒幕の作戦の第一歩であり、要するに彼は暗殺されることになるのです。


鷹野は自分が自由に行動するために死を装い、全くの別人の焼死体を自身の死体だと偽装します。


富竹の死により入江機関(鷹野と山狗)の造反を止める者は無くなり、その間に梨花を殺害することで滅菌作戦の発動を政府に決断させることができるのです。


ちなみに、富竹の死は雛見沢症候群の急性発症を誘発させるH173という薬品の投与により引き起こされます。


そのため末期発症患者特有の首を掻きむしっての死を迎えることになります。


まとめ


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雛見沢連続怪死事件

通称「オヤシロ様の祟り」は連続した怪事件として捉えられがちですが、実際には不幸な事件事故がたまたま毎年発生しているだけのことであり、そこには陰謀などはないのです。


しかし、雛見沢特有の土壌を形成する御三家、ひいてはそのトップである園崎家の黒幕ブラフや、鷹野たち黒幕勢の陰謀に多くのキャラクターが振り回され、大抵は不幸な結末に終わります。


5年目の事件のみ解答編の最終話「祭囃し編」にて回避されます。

それにより梨花は閉じられた運命の輪から抜け出すことができました。


しかし、それより前の事件は?

過去に遡れるという能力を持ちながら、5年目以外の連続怪死事件に対して何のアクションも起こさなかった梨花は、祭囃し編の翌週に手痛いツケを払うことになるのですが、それはまた別の話。


詳しくは「ひぐらしのなく頃に 礼」をご一読ください。


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