今回は、YouTubeで見られるホラーコメディ動画
Hispanic Halloween
について紹介させていただきます。
David Lopes氏が投稿したシリーズで、PART4まで確認できます。
氏はコメディ系の動画投稿をおこなっているようで、今回紹介するHispanic Halloweenもホラー映画の「ハロウィン」シリーズをパロディにしたホラーコメディ動画になります。
「どんな不良でも親ってのは絶対だからな」 引用:魁クロマティ高校、竹之内豊より
悪さをした時のお母さんは怖く、お父さんが怒った時はもっと怖いものです。
ちなみに英語とスペイン語?が入り混ざっており、英語すらまともに聞き取れない私なので意訳になりますことをご了承ください。
Part1
青年が自宅で洗い物をしています。
家事に率先して携わるのはとても関心ですね。
一心不乱に洗っていると…
不穏な人影が近づいてきます。
まるでホラー映画「ハロウィン」シリーズに登場する殺人鬼「マイケル・マイヤーズ」のような怪しい風貌です。
右手には大きなナイフを持っています。
「おいおいおい!お前何やってるんだ!」
明らかに怪しい闖入者に対して青年はそう言います。
しかし、彼が言っているのは、不法侵入していることや怪しげなマスクをしていること、ナイフを持っていることに対してではないのです。
彼が指すのは殺人鬼の足元…
いかに土足で家に入る文化圏といえども、ろくに土も落とさず入ってきたので床が泥まみれになっています。
ちなみにアメリカをはじめとした土足で家屋に入る文化圏でも、玄関に土落とし用にマットが用意されており、大抵の家庭では靴底を綺麗にしてから入室します。
まあ、気にしない人もいますが。
そんな青年と殺人鬼に割って入ってきたのが、青年のお母さんです。
顔には泡パック、髪はトリートメント中かタオルを巻いている、いかにも家庭的な格好のお母さんです。
その右手には今後幾度となく登場する最強装備「スリッパ」が握られています。
ハロウィンの時期であることから、殺人鬼を青年の友達だと勘違いしています。
青年は「こいつは殺人鬼だよ」と必死に訴えますが聞く耳を持ちません。
ここで、お母さんの関心ごとは床の汚れに集中します。
段々と怒りがエスカレートする母親を見て、青年はまさかの行動に出ます。
「俺を助けてくれ」
そう言って殺人鬼の背に隠れます。
さすがの殺人鬼も困惑しながら青年とお母さんを見比べます。
ナイフを持った殺人鬼より、スリッパを持ったお母さんの方が怖いのです。
見てください、青年の顔を。
完全に怯えています。
お母さんはゆっくりと近づきます。
怒りのあまり、ほぼ無表情で近づくお母さんに対して、青年はもちろんナイフで武装した殺人鬼も明らかに狼狽えます。
二人はお母さんから逃げようと、左手の道に振り返りますが…
そこには、どういう方法を取ったのか正面にいたはずのお母さんが一瞬で回り込んでいました。
もはや超常的なホラー作品に出るkillerの動きです。
流石に驚きを隠せない二人。
青年は殺人鬼に抱きつき、殺人鬼は青年を庇うような動きを見せます。
もはや主人公とヒロインのような様相を呈してきました。
二人はたまらず逃げ出します。
青年の案内で、物置部屋に逃げ込み息を殺します。
扉の隙間から様子を伺っていると、お母さんがゆっくりと通り過ぎます。
ホッと息をついたのも束の間、お母さんはギュッと戻ってきて、扉の隙間を覗き込みます。
真っ白な泡パックをしたあの顔で。
そして二人は画像のような絶叫をあげるのでした。
次のシーンでは、床を掃除させられている殺人鬼をスリッパ片手に監視するお母さんがいます。
よほど怖い思いをしたのか、殺人鬼はマスク越しに涙を拭います。
台所では青年が洗い物の続きをしていますが、殺人鬼と同じく恐怖から泣いてしまっています。
よほどお母さんが怖いのでしょう。
この年頃で洗い物を率先するなんて、普段から余程「良い躾」をされているのでしょうね。
そんな彼らの前にやってきたのが、新たな殺人鬼。
ホッケーマスクに大きな鉈という「13日の金曜日」シリーズに登場する「ジェイソン・ホービーズ」のような容貌です。
ウチに来たら私は大騒ぎして殺されてしまうでしょう。
彼を見つけた「マイケル・マイヤーズ」似の殺人鬼は、ジェイソンに向かって
「ここはやめとけ、ヤられるぞ」
とバレないように身振り手振りで伝えます。
そして恐る恐るお母さんの座っていたソファを見てみると、
お母さんは姿を消していました。
そして再度「ジェイソン」の方に目を向けると、スリッパを振り上げたお母さんが「ジェイソン」の前に立っていました。
彼もまた土を落とさずに家に入ってきたので床が泥まみれになっていたのです。
無慈悲なスリッパアタックが「ジェイソン」に炸裂し、Part1は幕を下ろします。
Part2
この日は青年は箒で床の掃き掃除をしていました。
相変わらず掃除に熱心な家庭のようです。
集めた埃を塵取りで丁寧に集めます。
しかし、経験ある方も多いでしょうが、最後に残る細かい埃って塵取りで取りにくいんですよね。
なんとか取り切ろうと頑張っていた青年ですが、あまりに終わりが見えないため、細かな埃は箒で散らしてしまいます。
そこに現れるお母さん。
Part1と同じ非常に家庭的な姿をしています。
ちゃんとやっているかと青年に尋ねます。
まるで埃を散らしたことをお見通しなようです。
ちゃんとやっていると答える青年に対して「ちゃんとやれよ」といった意味合いの言葉で警告を告げます。
それに対して「ちゃんとやれよ」と青年が揶揄うようにつぶやくと「なんだって!?」と怒られてしまいます。
ちなみにこの時のお母さんは例に漏れずスリッパを携行しています。
さあここで登場するは前作で青年と共闘せざるを得なかった殺人鬼です。
次のハロウィンの時期に再度青年の命を奪いにやってきたのです。
しかし、件の家の前で彼はトラウマを刺激されます。
あの恐ろしいお母さんのことを思い出し、体が震えますが、意を決して歩みを進めます。
玄関の扉には
「トリックオアトリートはしていないよ」
「キャンディはないよ」
と張り紙がされています。
昨年のハロウィンで床を汚されたことから「ウチはハロウィンやってないよ」と意思表示しているのでしょう。
その紙をクシャクシャにして殺人鬼は家に入ります。
箒での掃き仕事を終えて油断した彼は、殺人鬼の不意打ちを受けてしまいます。
殺人鬼にとっては待ちに待った瞬間でしょう。
怪力をもってして青年の首を掴んだまま片手で持ち上げます。
まさに絶体絶命の青年はなんとか棚の上に置いてあったインクの瓶を床に落とすことに成功します。
瓶が落ちれば当然割れます。
割れれば音が鳴り、中身が床にこぼれます。
するとこの家では何が起こるか。
はい、お母さんが現れます。
掃き掃除をしていたはずの息子が友達と戯れて、瓶を割るわ中身を床にぶちまけるわで、もはやご立腹の極みです。
見てくださいこの顔を。
どんな言い訳も受け付けないといった確固たる意思を感じますよね。
たとえ息子の言うことが本当のことだとしてもです。
しかし、今回は殺人鬼も生半可な覚悟ではきていません。
前回の恐怖を押し殺し、殺人鬼が殺人鬼たる所以を見せつけようとします。
大ぶりなナイフを振り上げ、お母さんを殺害しようとします。
が、振り上げた直後、お母さんの電光石火のスリッパ・ビンタが炸裂します。
このスリッパによる殴打を受ければ、どんなに屈強な殺人鬼といえども恐怖に支配されるのは明らかです。
見てください、この二人の顔を。
とても命のやりとりをしている仲とは思えません。
ある種の共感意識さえ芽生えていますよね。
二人はお母さんに追い詰められ、まさに万事窮すという時…
現れたるはお母さんのお母さん。
つまり青年にとってのおばあちゃんです。
彼女はハロウィンをしていない娘(お母さん)を説教します。
言い返すお母さんですが、おばあちゃんの手には「スリッパ」が…
いかに「お母さん」といえども、自身の「お母さん」には逆らえません。
それがスリッパを持っていれば尚更です。
その後、おばあちゃんの心遣いでパイが振る舞われ、殺人鬼は緊張感から解放されたからか、涙を流しながら舌鼓を打つのでした。
Part3
いかに青年といえども、いつも家事に忙殺されているわけではありません。
この日はスナックを食べながらテレビを見ています。
見てください、このリラックスし切った笑顔を。
イケメンは妬ましいですねえ。
そんな彼の平穏な時間は長くは続きません。
もはや短らぬ仲である殺人鬼が家までやってきたのです。
二人は窓で隔てられていますが、もはや知古である彼らは通じ合っているのか…
何かの気配を感じた青年は振り向きますが、誰もいません。
ホラーではよくあることですよね。
第三の壁を通している我々にはわかる緊張感の演出です。
その現実は…
よもやの超人的反射神経による視界からの回避という、殺人鬼たちの気苦労が窺い知れる描写があります。
とはいえ、伊達に殺人鬼をしていません。
青年に気づかれることなく目の前に現れ、再び青年の首をつかみ上げることに成功します。
全く衰えない怪力により青年を持ち上げ…
前回の反省からか、今回は青年を投げ飛ばします。
しかし投げた先がまったく考慮されていません。
そこはテレビが置いてある場所で、まあでかい音がなります。
するとこの家では何が起こるか(1年振り2回目)
はい、お母さんが現れます。
相変わらずスキンケアとヘアケアに余念がない女性らしさに溢れたお母さんです。
いつまでも綺麗でいたいと思うのは年齢・国籍に関わらず女性の永遠の願いです。
しかしスリッパを装備したこの家のお母さんは非常に戦闘力に長けています。
見てください、成人男性を片手で持ちあげ、でかいナイフで武装している殺人鬼のしょぼくれた姿を。
さあ、いよいよお母さんはテレビが損傷していることに気づいてしまいました。
青年が投げ飛ばされた衝撃で割れてしまったんですね。
ここでお母さんは怒ります。
今までとは被害の規模(価格的にも使用頻度的にも)が違うので当然でしょう。
青年は必死に事情を説明します。
しかし殺人鬼もナイフを隠して責任逃れを測ります。
見てください、この必死な顔を。
ここまで息子が言っているにも関わらず、お母さんは告げます。
「お父さんに怒ってもらうからね」
さあさあ、まずいことになりましたよ。
家庭にもよるでしょうが、本気を出したオジサン。
つまり本気で怒ったお父さんというのはめちゃくちゃ怖いものです。
この家庭でも同じだったようですね。
まるで銃殺刑に処される囚人のような佇まいです。
あれだけ恐れていたお母さんより、さらに怖い存在がいたのです。
ナイフを持ち怪力を誇る殺人鬼ですら、青年と一緒にお父さんの帰りを怯えながら待っているのです。
さあ、お父さんが帰ってきました。
しかし恐怖心がピークに達した二人は逃げ出してしまします。
ここで青年は不可思議な行動を取ります。
タオルをズボンの尻側に入れていたのです。
殺人鬼も意味もわからず手伝います。
さあ、もうできることはありません。
せめてもの願いとして、寝たふり作戦を実行します。
「まあ寝てるしまた後でいいか」という親の優しさというか甘さに期待したなけなしの作戦です。
ちなみに怒りのピークは6秒らしいので、時間が経てば経つほど怒られにくいのかもしれませんが…
ああ、ダメそう。
怖そうな人だし、めっちゃ怒ってるよ。
そして、お父さんは自分のベルトを引き抜き、鞭のように振り上げます。
ちなみにベルトを武器にする格技術はありまして、クラヴマガやシラットで使用されます。
まあどうでもいいですが、いずれにせよ幅広の鞭というのは人体組織に致命的な欠損を与えることなく、痛みを与えられる攻撃です。
お仕置きの後、二人仲良く家の外の掃除をする青年と殺人鬼。
しかし青年は比較的元気で、殺人鬼はお尻を気にしています。
先ほど青年がズボンの中にタオルを入れていたのはこういうわけなんですね。
お父さんの折檻は昔から「おしりペンペン」だったのでしょう。
その対策をしていた家族ならではの強みだったということです。
Part4
道を歩いている青年が突然茂みの中から殺人鬼の襲来を受けます。
青年は「また!?」と声をあげますが、お母さんのいない家の外で襲うのはいいアイディアと言えます。
よっぽど青年を殺したいんですね。
青年が本気の肘鉄を食らわしてなんとか拘束から脱しています。
必死に逃げ出しますが、殺人鬼らしく陰湿に追跡してきます。
怪しい人物に追われた際に自宅に逃げ帰るのは今後の襲撃リスクを考えると決して得策ではありませんが、彼の場合はまあ問題ないでしょう。
なんとか自宅まで逃げ切った青年を待っていたのは、これまた怒り心頭なお母さんです。
素顔が見えてかなりラフな格好になっていますが、右手にはスリッパを忘れません。
モノノフの鏡ですね。
どうやら青年は鍋に火をかけたまま外出していたようです。
これは非常に危険な行為であり、一歩間違っていれば火事を引き起こし大規模な被害を発生させていたかもしれません。
怒られても仕方がない、というよりも、しっかりと怒られるべき事案ですが、今は殺人鬼に追われているところ。
後ろを振り向いて見ると…
何度も折檻されたお母さんの姿を見た殺人鬼は、清々しいほどのダッシュで逃げ出します。
何度も狙うほどに青年に執着し、大の男を投げ飛ばせる腕力と、靭帯なんて容易に貫けそうなナイフを持っていても、お母さんの姿を見ると脱兎の如く逃げ出すしか選択肢はありません。
そんな殺人鬼の姿を見た青年は唖然としますが…
殺人鬼の後を追うように、青年もまたお母さんから逃げ出すのです。
殺人鬼に追われることよりも、実際に襲われることよりも、お母さんからのお説教の方が恐ろしいのです。
家から逃げ出してしまいさえすれば、叱られる心配はありませんからね。
お母さんはというと、逃げられたにも関わらず悠然とスリッパ片手に歩き出します。
お母さんにとって距離は何の障害でもなく、二人を逃すつもりもありません。
振り上げた右手は見事なオーバースローの軌跡を描き、その右手からスリッパが放たれます。
お母さんの意思を継いだスリッパは見事なコースで飛翔し、まずは青年の頭部にヒット。
青年はあまりの衝撃に倒れ込みます。
さらに、頭部で跳ねたスリッパは少し前を走っていた殺人鬼の頭にもヒット。
二人を無事に仕留め、お仕置きを終えたお母さんは鼻を鳴らしながら家に入っていくのでした。
まとめ
以上が「Hispanic Halloween」の紹介です。
英語とスペイン語が入り混じっており、彼らが何を言っているのか明確に聞き取ることは難しいものの
ストーリーを楽しむ上では、それほど大きな問題になりません。
例えるなら「トムとジェリー」のような台詞が殆どないアニメや、クレイアニメの「ピングー」のような架空の言語のみで構成されている傑作コメディと同じです。
青年に訪れる不条理な状況と、殺人鬼といえども家庭の中では両親が最強というローカルルールに翻弄される様は見ていて自然と笑顔にさせられます。
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