採掘会社大手のC.E.C.社に勤めるシステムエンジニア
アイザック・クラーク
彼は名作ホラーSFゲームであるデッドスペースシリーズの主人公を務めています。
本シリーズにおいて、アイザックは地獄のような人生を送ることになりますが、その原因となっているのが未知のオブジェクト「マーカー」です。
本記事では、マーカーとアイザックの関係性について解説していきます。
Dead Space関連記事の一覧はこちら
アイザック・クラーク
通称「宇宙最強のエンジニア」です。
上述の通り、彼の職業はシステムエンジニアであり、一介のサラリーマンにすぎません。
若いころに海兵隊員として勤務していたこともありますが、任期満了を機に転職しており所属も工兵だったことから直接戦闘に長けた人物ではありません。
では何故「宇宙最強のエンジニア」と呼ばれるのか。
それは彼のサバイバビリティの高さにあります。
そしてそれの根幹になっているのが精神力の高さです。
目の前で人が血まみれになって死のうが、人間が化け物に変異する瞬間を見ようが、
彼は決して狼狽えることはありません。
常に生存に必要な行動(攻撃や逃走)を取ることができる人物なのです。
もちろん、ゲームである以上はプレイヤーが操作するので、すぐに戦闘に移行できるというメタ要素もあります。
しかし、メタ的な要素を排して見ても、イベントムービー中に困難な事態に陥っても悪態を突きつつ、即座に最適と思われる行動を取ることができているのです。
例えば以下のようなシーンがあります。
- 突然巨大な触手上のネクロモーフが現れても特に驚いた様子がない。
- 拘束衣で縛られている状態で目の前の人物がネクロモーフ化した際に、先手で頭突きを放って逃走。
- コロニー外からの攻撃を受けて宇宙空間に吸い出されそうになりながらも、冷静にスーツのヘルメットを展開し気密を維持。
- 高所から落下した際に、転がり落ちながらスーツのスラスターを使用して最低限の減速を行う。
- ネクロモーフに追われている最中に、懐中電灯と手術用のプラズマ機器を数秒で組み合わせてプラズマカッターを急造する。
などが挙げられます。
何度もお伝えしますが、彼はエンジニアです。
荒事に慣れたマッチョではありません。
マーカー
誰がどのような目的で作ったのか殆どすべてが不明な謎のオブジェクトで、デッドスペースシリーズにおける現象の根源です。
目的は不明なものの、マーカーが何をしているのかについては作中で解明されています。
マーカーは自身を無限のエネルギーを生み出せる装置として振る舞い、自らを知的生命体に発見させて複製させようとしています。
マーカーは不明な電磁波を放出しており、影響範囲内にいる人間に様々な症状を引き起こさせます。
大半の人間には鬱や攻撃性の増加、幻覚の誘発などを起こします。
しかし、一部の知能の高い人間には脳内にマーカーの製法が脳内に植え付けられるという現象が起こります。
大半の場合においては、最寄りの「知能が高い人間」はマーカーを研究している人物であることが多いため、複製は容易に進められることになります。
そして、自身を複製させてさらに毒電波を広範囲にまき散らそうとしているのです。
ちなみに、作中人類がオリジナルだと考えていたブラックマーカーを構成している物質は未知のものですが、既知の物質に置き換えての複製は可能です。
そのため、人類が複製したマーカーは赤色になっています。
構成物質の変更による性能の違いはありません。
また、マーカー表面には起源不明の文字が描かれていますが、「知能が高い人間」は解読方法を編み出し、その過程でネクロモーフ細胞の製法を得ることになります。
死んだ細胞に取り付き変異させて再活性化させるネクロモーフ細胞は、見方を変えれば永遠の命をも可能にする技術と言えます。
マーカーとアイザックの関係
予想がついている方も多いかと思いますが、アイザックは「知能が高い人間」であり、
USG石村に回収されたマーカーからの電磁波によって、マーカーの製法を脳内に無理やり刻まれています。
さらにアイザックの凄いところが、マーカーの影響を受けつつも殆ど正気を保っていることが挙げられます。
デッドスペース2に登場する「ストロス」という人物がいます。
彼もアイザック同様にマーカーの製法を脳内に刻まれた「知能の高い人物」です。
しかし、深刻な認知症を併発しており、マーカーの見せる幻覚が原因で妻と娘を殺害してしまうという凶行に及びます。
ゲーム内でも支離滅裂な発言をしたり凶暴性に支配されたり、自身が殺害した家族の幻影と会話をしたりと、いろいろ可哀想なことになっています。
その点、アイザックもニコールの幻影に苛まれてはいますが、彼女が幻覚であることを認識して正気を保ち続けています。
アイザックやストロスが見ている幻覚は、マーカーが意図的に見せているものになります。
その目的は、知能の高い人物を誘導するためです。
マーカーは自身の最終任務である「月」の形成のために、「知能の高い人間」を取り込む必要があるのです。
取り込むといっても、物理的なものではなく精神的な吸収のようです。
マーカーはストロスを見限り、より有能なアイザックを吸収対象に選びました。
そのころから、ニコールの幻覚はアイザックに対して友好的になり、マーカーの破壊のために必要な行動だと騙って、アイザックに指示を出すようになります。
ちなみにアイザックはこの時点では、ニコールの幻覚がマーカー由来のものであるとは知りません。
紆余曲折のうち、やるべきことを全て行ったアイザックに対して、ニコールの幻覚=マーカーは牙をむきます。
2における最終戦は、アイザックの精神世界でニコールの形をとったマーカーそのものとのバトルになります。
ここでの戦闘に勝利することで、マーカーはその機能を停止し破壊することができます。
奇しくも、アイザックを動かすための嘘であった行動が、マーカーの破壊につながるのです。
ちなみに、ここで敗北すると正気を失ったアイザックは狂気じみた笑顔を浮かべながら、ジャベリンガンで自身の顎から頭部を撃ちぬいて自殺をしてしまい、精神がマーカーに取り込まれていることを示唆しています。
マーカーを破壊できる男
上述の通り、アイザックはデッドスペース2においてマーカーを明確に破壊した唯一の人物です。
マーカーを物理的に破壊することは不可能とされ、爆発などで木っ端みじんにしても、その破片は継続して電磁波を放出しており機能を停止することはありません。
そこはネクロモーフ細胞と同じ特徴と言えます。
この功績から、アイザックは「マーカーを破壊できる男」として関連社会の中で有名人になってしまいました。
マーカーを神聖視し宇宙中に複製を配置しているユニトロジー協会からは危険人物として。
ユニトロジー協会の目論見を阻止したい勢力からは救世主として。
マーカーそのものからは「月」形成のカギとして。
アイザック自身の意思とは全く関係ないところで重要度が上がり、どの陣営についたとしても命の危険が伴う状況になってしまったのです。
そしてアイザックがマーカーが存在する限り命の危険に晒され続けるのです。
マーカーが氾濫することは人類の滅亡につながります。
アイザック・クラークは人類を救う「宇宙最強のエンジニア」と皮肉交じりに呼ばれているのでしょう。
Dead Space関連記事の一覧はこちら
コメント