スポンサーリンク

【Dead Space】ネクロモーフの解説・正体【マーカーの産物】

スポンサーリンク
スポンサーリンク

2008年に北米のEA社から販売された名作ホラーアクションゲーム


DEAD SPACE


本作に登場する主要な敵である「ネクロモーフ」は他作品では見ない中々に個性的な特徴を持っています。



Dead Space関連記事の一覧はこちら


スポンサーリンク

ネクロモーフ

※本記事においては以下のように名称を分けています。

  • ネクロモーフ:スラッシャーやリーパーなどの死体が変異した存在
  • ネクロモーフ細胞:死体を上記のネクロモーフに変異させる謎の細胞

同じような言葉でややこしいのでご注意ください。


最初に結論から申し上げると、ネクロモーフ(細胞)の正体は不明です。


マーカーから得られる遺伝子組み換え技術の結果、ネクロモーフ細胞を作り出すことも可能ですが、そもそも本格的な研究が行われていない段階で発生することもあります。

ネクロモーフ細胞の発生には、少なくともマーカーが関係しているのは間違いないようですが、マーカー自体が何者なのか分かっていないため、そこから発生すると思われるネクロモーフも正体不明な存在なのです。


しかし、ネクロモーフがどういった化け物なのかについては、作中の描写から分かることも多いです。


ネクロモーフとは

「死体を変異させるもの」という造語でから名付けられています。


死体を組み替えることができるネクロモーフ細胞が生物の死体に入り込むと、文字通り体細胞を変異させ異形の怪物(ネクロモーフ)にしてしまう恐ろしい存在です。

特徴的なのは、死体を動かしている関係からネクロモーフとなった化け物は生命活動を行っていません。


そのため、頭部を吹き飛ばそうが心臓を破壊しようが、水中、果ては宇宙空間でも生身のまま問題なく活動することができます。


彼らの行動原理は、たった一つの「目的」を達成することのみであり、いかなる対話も交渉も不可能です。


作中では、ある種の集合意識的な存在に基づいて行動する端末のような存在である可能性が示唆されており、実際に「ハイブマインド」と呼ばれるネクロモーフの中枢神経のような化け物が登場しました。


つまり、個々のネクロモーフは自我を持っておらず、個としての生命体ではなく全体で一つの生命体であるということです。


ややこしいですが、ネクロモーフ細胞は生きていますが、これによって動かされる死体は生命活動を行っていません。

ネクロモーフ細胞が不死であるため、それによって動かされる死体も事実上の不死身の存在です。


詳しくは後述しますが、作中で手足をバラバラにされて動かなくなったスラッシャーなどのネクロモーフも死んでいるわけではないのです。


ネクロモーフの目的

ネクロモーフ細胞を増やすための死体作り。


これ以外の行動目的を持ちません。

つまり、徹底的な殺戮者として存在する化け物なのです。


そこにはいかなる思想もなく、ただ死体を作り出し細胞を増やすこと以外に役目を持ちません。

そのため、苛烈な攻撃を受けて周囲で仲間が活動不能になろうとも、自身の手足が吹き飛ばされようとも、決して怯むことなく生物に襲い掛かります。

このことからも、個としての存在ではないことが読み取れます。


ネクロモーフの弱点

上記で、動かなくなったネクロモーフは死んでいる訳ではないと書きました。

ではなぜバラバラになったネクロモーフは死んだように動かなくなるのでしょうか。


死体を作り出すという目的が達成できなくなったために、行動することをやめているだけなのです。


そのため、ネクロモーフを構成する細胞自体の活動は続いており、動ける(=殺戮できる)状況に復帰出来次第、再度活動を開始します。


逆にいえば、死体を作り出せない状況にさえしてしまえば、ネクロモーフを無力化することが可能なのです。

わかりやすくいえば、作中でメイン武器となるカッター類による四肢(触手などの攻撃手段)の切断ですね。

ゲームでは手足を落とすだけで倒せますが、もし現実にいれば噛み付いたりできるので達磨状に手足と頭を落とす必要があるのでしょう。


そのため一般的な銃火器による点での攻撃では効果は薄く、たまたま手に取ったプラズマカッターがネクロモーフに対して極めて有効な武器だったことはアイザックにとって不幸中の幸いでした。


マーカーとの関係

上述の通り、ネクロモーフはマーカー由来の存在です。

ネクロモーフ細胞はマーカーから発せられているある種のシグナルがないと形状を維持できません。


USG ISHHIMURA(イシムラ)で発生したネクロモーフたちは、アイザックによりマーカーを破壊された後は崩壊してしまい粘液状になりました。


そのため、後に地球政府によりイシムラが回収された際は、稼働状態のネクロモーフ細胞は存在しませんでした。

しかし、この状態でもあくまで休止状態であり、マーカーからのシグナルを受けると何事もなかったかのように復活します。


マーカーの目的は、数多のネクロモーフ細胞を使って「収束」を行い「月」を形成することです。


ネクロモーフが増殖するのは、マーカーが月を作るため。

ではマーカーが月を作るのは何のためなのでしょうか。

わからないんだな、それが。

いつか解明される時が来ることを願っています。


主なネクロモーフの紹介

ネクロモーフ細胞により死体は変異しますが、理由は不明なものの、その変異先はある程度決められています。

以下にていくつかの種類を紹介します。

この他にも多くの種類があり、それぞれ作り込まれた設定を持っていますので、気になった方は是非実際にプレイしてみてください。


スラッシャー

至る所で見かけるネクロモーフの基本形態です。

人間が変異しており、腕が鎌状に変化していたり、肩や背中から鎌状の新しい触手が生えたりしています。


基本的に二足歩行で徘徊しており、生存者を見つけると駆け寄ってきて鎌で滅多刺しにしたり切り裂いたりして殺そうとしてきます。


生存者が部屋を移動して逃げても通気ダクトを通って追跡したり、背後など気づかれていない状況だと忍足で近づいてきたりと、ある程度の知性を感じる動きをします。

気付かれていることに気付かず忍足を続けるおっちょこモーフもいて可愛いこともありますが。


特別な能力を持たず格闘に全振りした種類であり、手足を切断することで無力化することが可能です。


ただし、プレグナント(妊婦)という亜種も存在します。

プレグナントはその名の通り、腹部に他の小型種のネクロモーフを内包しており、腹部を破壊されるとそいつらが飛び出してきて敵戦力が増強されるという地味に厄介な能力を持っています。


インフェクテッド

他の多くのネクロモーフは死体を作り出すことに特化していますが、このインフェクテッドは死体をネクロモーフ化させることに特化した種です。

スラッシャーなどの後工程を担当していますね。


大半のネクロモーフは人型だったり、素体に人間が使われていることがわかる姿をしています。

しかし、こいつは元が何だったのか全くわからないほどに変質しています。

一言で表現するなら、巨大なエイですね。

平たい身体をひらひらと羽ばたくように動かし、空中を飛行することができる他、腹部に生えた虫のような脚部を使って地面を素早く移動することもできます。


特性上、他のネクロモーフに比べて攻撃手段は劣りますが、飛びついてきて突起状の器官で滅多刺しにすることができるので、普通の人間ならイチコロでしょう。

ちなみにこの器官からネクロモーフ細胞を放出することができ、生物の体内に差し込んだ状態で注入することで急速な感染を引き起こしネクロモーフ化させることができます。


行動傾向として、周囲に四肢の残っている死体があると、生存者を無視して死体をネクロモーフ化させようとします。

そのため、ゲームのプレイ中に遭遇した場合は、積極的にインフェクテッドを無力化しないと、敵がどんどん増えてしまいます。

だいたい死体が多く配置したフィールドで登場しますので、結構厄介です。


しかし、手足や触手が存在しないため弱点がない上、やたらと硬いので瞬間火力が大きい連射武器で一気に肩をつけた方がいいです。

パルスライフルが光りますね。


ガーディアン

個人的にこのネクロモーフが一番好きですので、少し長めに紹介します。


初代無印の頃から登場し続けているガーディアンは、文字通りフィールドの関所として配置される固定型の敵です。

人間が肉塊に取り込まれたような姿で壁面にへばりついており、手足は肉塊に取り込まれて変質していますが、胴体と頭部はほぼ人間の形を保っているのが特徴です。


ゲームの都合で扉を守るような役目を負っていますが、実際にはさまざまな壁面にへばりついているのでしょう。

ガーディアンは移動はできませんが、ある程度伸縮する刃付きの6本の触手をもち、それを振り回すことで人間の首を切断します。


触手の届かない距離まで離れても、人間部分の胴体が裂けて胎児のような肉塊を体内から弾き出します。

この胎児も移動はできませんが、生える触手での攻撃のほかに、後述のラーカーのように何かしらの弾丸を撃ち出して長距離攻撃が可能です。


まさに拠点防衛に特化したネクロモーフです。


特筆すべきなのは、肉塊を出産する際に激痛に悶えるようにメチャクチャに身を捩り、悲痛な悲鳴をあげることにあります。

ネクロモーフといえば、自我を失い死体を作り出すために動き回る不死の化け物です。

しかし、ガーディアンに限って言えば、まるで生きた人間が肉塊に取り込まれたように見えます。


名状しがたい肉塊に手足を取り込まれ逃げることもできず、絶え間なく遅いくる激痛に悶えながら死ぬこともできず、バケモノを生み出し続ける地獄を味わっているのかもしれません。

そんな彼や彼女が変異してしまったガーディアンですが、その他のネクロモーフと同様に、触手を破壊することで倒すことができます。


その際の死亡演出がまた悲壮感のあるものなのが気に入っています。


ずっと聞くに耐えない悲鳴を上げ続けていたガーディアンの断末魔は、意外なほどに安らかなものなのです。

まるで想像を絶する責苦から解放されたかのような、ようやく楽になれたことに安堵するかのような、心地よさそうな声と吐息を最期に発するのです。


いつも通り過ごしていたはずなのに、急に訳のわからない状況に巻き込まれ、常人なら死んでしまうような激痛でも死ぬこともできず、かと言って発狂することもできず、肉塊に取り込まれた絶望と共に生き続けていたのかもしれません。

それを救ってくれる「死」を、穏やかな気持ちで受け入れてしまうというのは、まさに地獄の苦しみでしょう。


私の文才では十分に伝えることができません。

ぜひ実際にプレイしてご確認いただきたい演出です。


ディバイダー

非常に細身な人型ネクロモーフ、に見せかけた小型ネクロモーフの集合体です。

頭部を形成するタコっぽい見た目のネクロモーフの他に、小さな触手っぽい4体の計5体のネクロモーフが合体し(なぜか)人型に擬態している種です。

人間由来ではなく、小型生物や微生物が変異した存在とされています。


5体ワンセットではなく、たまにバラバラの状態で現れることもあるほか、人型を取っている際に腕や足を構成している個体を破壊するとバラバラに分裂します。

個体は小さいので特に弱点と呼べる部位はないため、フォースガン(ショットガンに相当する工具)などの面制圧力の高い攻撃が有効です。


ここまでだと単なる色物の敵ですが、特筆すべきはこいつに倒された際のアイザックの死亡モーションです。

特に、頭部を構成するディバイターに殺害されると、アイザックの首がもげます。

そして、そのもげた首の断面に触手を潜り込ませ頭の位置に居座ると、身体の制御を奪いどこかに歩き去るという冒涜的な演出がされるのです。


ところで、アイザックの着用しているスーツ(に装着されているRIGというデバイス)は、着用者のバイタルをモニターしています。

着用者が死亡した際には心停止を表す「ピーー」という、ドラマなどでよく聞く心停止の音が鳴り、周囲に異常を知らせます。


当然、首をもがれたアイザックのスーツからは心停止の音が流れるのですが、ディバイダーが頭部に収まり身体を乗っ取った瞬間に心停止の音が止むという細かい演出がされています。


インフェクターのように直接ネクロモーフ化させることはできなくとも、身体を奪い無理やり肉体を蘇生させて使用することにより、擬似的にネクロモーフ化させるという(面倒な)手順をとっているのでしょう。

この演出を考えつく人の頭が心配です。


ラーカー

人間の赤ん坊や犬のような小型の哺乳類が変異した種です。

1、2では赤ん坊、3では物語の舞台の都合上で犬の死体が変異しました。


日本のゲームでは子供や子供をモチーフにした敵キャラクターは登場しないのですが、まさかの赤ちゃんを化け物にするという外道ぶり。

当然倒す必要があり、例に漏れずにバラバラになりますし、残った死体の顔はまさに赤ちゃんという心の痛む造形です。


四足歩行で素早く移動する他、背中から3本の触手を扇状に生やして何かしらの弾丸を撃ち出す遠距離攻撃をする他、触手で滅多刺しにするというネクロモーフ共通の攻撃も健在です。


ちなみに、物語の舞台設定が数百年後の世界であることから、作中では倫理的に問題ないとされているのかもしれませんが、1に登場する新生児の素体は「医療目的に培養された臓器スペア用の新生児のクローン」だそうです。

実際に、イシムラ内部を探索していると、無数の赤ちゃんが培養ポッドの中で浮いている趣味の悪い部屋を訪れることがあります。


2に登場するのは、コロニー内で暮らしていた普通の赤ちゃんの死体が素体になっています。

2ではこのラーカーに変異する他に、クローラーという腹部が爆発性の物質に変質した自爆タイプのネクロモーフが存在します、

クローラーに関しては初登場シーンがトラウマものであり、子供のいる身になってからは特に心の痛む演出です。

「ほら、おいで。ママよ。頑張って、ここまでいらっしゃい。そうよ、こっちにおいで」

いずれにしろ、無数の赤ちゃんの命が散った上に、極めて冒涜的な存在に変異させられているという恐ろしさがあります。


まとめ

デッドスペースの魅力の一つが、過剰なまでのグロテスクな演出とゲームシステムが挙げられると思います。

ただし、単純に臓物をぶちまけるだとか、ただバラバラにされるとかのショッキングシーンに頼るのではありません。

そのバックボーンを想像させられたり、細かな演出まで作り込まれていると、単なるスプラッタだけではないのかもしれないなという微妙な気分にさせられます。


そもそも、これらのゴア要素がスパイスになるほどに世界観が作り込まれているという前提があります。


しかし、デッドスペースという作品群は、1作目は興行的に成功したものの、続編の2はおおむね好評かつ販売数は伸びつつも損益分岐点を超えることはできませんでした。

3については前作の期待を上回ることができず、2、3は失敗と言える結果に終わっています。


しかしながら、人気は根強く、この度1作目のリメイク・リマスターが発表される運びとなっています。

おそらく日本語版はローカライズされないのでしょうが、楽しみに待っている作品の一つです。



Dead Space関連記事の一覧はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました