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【SIREN2】 永井頼人の解説・考察 【三沢・沖田との関係】

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SIREN
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2007年に発売されたPS2用サバイバルホラーゲーム

SIREN2


本作では、ホラーゲームとしてが珍しく陸上自衛官のキャラクターが複数登場します。

この記事では、多くのプレイヤーの心に強いトラウマを残すエンディングを迎えることになった


永井頼人


について、解説考察をしていきます。



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永井頼人について

引用元:PS2ソフト SIREN2より

前述の通り、陸上自衛隊にて勤務する自衛官で、階級は陸士長(士長)です。「自衛隊は軍隊ではない」という建前性質上、諸外国の軍隊で使用される階級とは異なる名称を用います。

陸士長は諸外国でいう上等兵に近い階級なのですが、すべての自衛官は勤務を続ける限り陸士長までは年次で昇進するため、厳密には異なる独自の階級です。

自衛官の採用には複数のパターンがあり、詳細は省きますが、

士長ということは

  • 一般曹候補生(かつての一般曹候補学生・曹候補士)
  • 自衛官候補生(任期制)

のどちらかで入隊し、1年以上経過していることは確実です。


彼の態度から、少年工科学校(現在は廃止、高等工科学校生徒に移管)出身ではなさそうです。


公式設定として、訓練成績は優秀だが今どきの若者であるとされ、


作中においても自衛官の標準装備である64式・89式小銃はもちろん、分隊支援火器のMINIMI、幹部や一部の職種でしか取り扱わない9mmけん銃9mm機関けん銃、果てはTNT爆薬や21.5mm信号けん銃という、かなりレアな装備も使いこなします。

(ゲームの都合であり、当時の自衛隊では士長がこれらを運用することはまずありません)


基本的には自分をしっかり持った青年で、上官である三沢に不信感を持ったのちは単独で行動し、岸田百合や矢倉市子に対しても完全な善意をもとに救いの手を差し伸べようとします。


三沢岳明との関係

引用元:PS2ソフト SIREN2より

物資輸送訓練における指揮官は一藤二孝一等陸佐でしたが、ヘリの墜落事故により一藤を含む多くの自衛官が死亡したことにより、三沢岳明三等陸佐が緊急避難の指揮を執ります。

墜落時点での生存者は、永井・三沢・沖田のみでした。


墜落のショックと瀕死の沖田を前に泣き崩れる永井は、三沢の指示にただ従うことしかできません。やがて沖田が死亡し、屍人化した際には、三沢は永井に対して拳銃での危害射撃を命じます。

メタ的に言えばプレイヤーのチュートリアルですが、三沢の真意は現在の異常事態に対して永井の覚悟を固めさせるという意図がありました。

しかし、永井はすぐには飲み込めず、正当防衛的に屍人化した沖田を射殺します。

この状況に対して異常な態度をとる三沢に対して、永井は不信感を募らせていきます。

山中に座礁しているという異常な状態のブライトウィン号(観光船)内部を探索している際に、二人は岸田百合と遭遇します。

逃げる百合と、それを気に掛ける永井に対して無視を決め込む三沢を見限り、永井は単独で行動し始めます。

この時点で、三沢は自前の霊感から来るストレスで、半ば正常ではありませんでした。しかし、永井はそれを知りませんし、三沢も本心では助けを求めていたものの、それを伝える術を持ちません。

やがて百合と合流した永井は、百合の能力である「魅了」に魅入られつつありました。

そこに三沢が銃を持って割って入ることで永井を助けますが、永井からしてみれば一般人の女性に対して銃を突きつける異常者にしか見えません。

ここでタガが外れたように三沢を怒鳴りつけ、二人は完全に決別します。この時点で永井は三沢を完全に異常な人間だと考えます。

その後に、矢倉市子(模倣体)に向けて銃を撃ち尋問している三沢と遭遇します。

またしても何も知らない永井は、女子中学生に向けて発砲している三沢を咄嗟に射殺します。やむを得なかったとはいえ、上官を射殺してしまったことにひどく動揺します。


しかし、のちに闇人として復活した三沢に対しては再度敵意をむき出しにし、最終決戦に挑むのです。


沖田宏との関係

引用元:PS2ソフト SIREN2より

ゲーム開始時点でヘリの墜落事故により瀕死の重傷を負っています。


永井の直属の上官であり、同じ営内で過ごす二等陸曹でした。

プレイヤーが操作することはできませんが、事故に起因する負傷から死亡したのち、屍人・闇人となって敵として頻繁に登場します。

面倒見がよく優しい性格であったようで、永井は母に沖田のことを話していたことがアーカイブから分かります。成人してからお母さんに職場の先輩のことを話す人は多くないでしょうから、よほど沖田のことを慕っていたのでしょうね。

また、沖田は永井のことをどう思っていたのかは、視界ジャックで闇人化した沖田の視界を見てみると分かります。

「永井もずいぶんと冷たいよな」

「永井、俺だよ俺」

「くじけるんじゃないぞ」

「永井、根性出せよ」

などと、永井を気にかけるセリフを多く話します。

(プレイヤーが永井を操作しているせいでもありますが)

このことからも、沖田自身も永井を大切に思っていたことが分かります。

実際、自衛隊の教育隊では班長はじめ教育係の自衛官は新人を手厚く育てますが、部隊配属後は新人をどう扱うかは、各個人の性格次第といった面が強いです。

このあたりは一般の会社と一緒ですね。

そのため、新人とは言えない陸士長の永井を可愛がっているということは、沖田が非常に教育熱心かつ優しい人物であったことの現れです。

闇人化した沖田の最期は、永井の手によりTNT爆薬を口にねじ込まれ、再生が不可能なほどに肉体を破壊されることで滅せられます。この際、永井は「沖田さん・・・さよなら これで終わりです」と声をかけており、闇人になっても最後の最後まで敬愛する上官だったことがうかがえます。

最終的には呼び捨てになり敵意をむき出しにした三沢とは扱いが全く違いますね

ちなみに、沖田は三沢の部下でもあり、SIREN1作目の羽生蛇村へ災害派遣に赴いた際にはバディとして活動していました。

三沢はこの災派で羽生蛇村の異界に触れてしまいすが、ヘリに残っていた沖田はこの現象に巻き込まれていません。これは四方田春海を救助するためにリぺリングしていた三沢が羽生蛇村に近かったから、というよりは、沖田が霊感を持っていないことに由来するのでしょう。


永井エンド(奪われた世界)

引用元:PS2ソフト SIREN2より

孤軍奮闘。

助けようと頑張った相手がことごとく異形のモノであり、実は真相に近づきつつあった上官を射殺し、一樹とは違いクモの糸を掴み損ねた永井が落とされたのは、母胎が現世の奪還に成功した平行世界でした。


永井が現れたのはどこかの海水浴場。


空には黒い太陽が輝き、人間の代わりに闇人が日常生活を送っています。


海辺でくつろぐ闇人、ベビーカーを押して散歩する闇人、売店が軒を連ね、背後にはエアコンの室外機を備えた旅館のような建物が見えます。

やがて周囲の闇人たちが永井の姿に気付きます。

その様は明らかにおびえているようで、遠巻きに永井のことを観察しています。

だんだんと事態を把握してきた永井は、絶望の表情と叫びをあげながら、手にした9mm機関けん銃を乱射。銃弾を受けた闇人は倒れ、周囲の闇人は散り散りに逃げていきます。

叫び続け撃ち続ける永井を中心に画面は空にひいていき、エンドロールに入ります。


自衛官として弱者を助けようと奮起し、一人残された際は異形である闇人を殲滅するという活躍をした彼に対して、あまりに残酷すぎる最後でした。


まとめ

永井頼人は、怪異に巻き込まれた後も正気を失うことなく、岸田百合や矢倉市子といった(一見)弱者を積極的に救おうとしたり、終盤は一樹とも行動を共にして彼を守っていました。

自衛官として、人として、普通のことをしていた彼は立派であり、自分のためではなく誰かのために奮闘していたのです。

三沢とはそりが合わず反目してしまいましたが、芯のところでは、三沢も永井も完全な巻き込まれ型のキャラクターであるにもかかわらず怪異に立ち向かう勇敢な人物でした。

(実は自衛官一行は夜見島と縁も所縁もないうえに自らの意思で来たわけではないのです)


しかし、三沢の命を奪ってしまったためか、はたまた闇霊を積極的に倒していたためか、最後は絶望的な世界に一人堕とされてしまいます。永井があの後どうなったのかは知る由もありませんが、おそらくどうあがいても絶望な状況だったのでしょう。

他の世界では沖田の指導の下でより立派な自衛官となり、三沢とも互いに認め合い、国防に携わってほしいと思うのみです。



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コメント

  1. 名無し より:

    たんしさん、考察記事お疲れ様です! 令和の時代にこんなにSIREN愛溢れる考察が読めて幸せです。
    NTやReBIRTH(漫画)の記事も読みたいところですが、その自衛隊に関する知識を活かして2の一藤一佐やMINIMIを装備した三沢、夜見島内に自衛隊装備が蔓延するほど銃を積んだ三沢達のヘリについても洗いざらい考察していって欲しいです!
    特に一藤一佐は階級もあって死んだら大分ヤバい人だと思いますし、闇人甲式が分隊支援火器を単独で振り回す脅威に関してたんしさんの意見を聞きたいです!
    次の記事も楽しみにしています!

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