一概にはいえないのでしょうが、社会人になると学生の頃とは比べ物にならないほど濃密な人間関係を築くことになるケースがあります。
これは仲がいいとか、そういうポジティブな意味ではなく、もっとネガティブな関係であることが多いでしょう。
鬱や自殺者の割合が、学生と社会人とで比例していないことからもわかると思います。
厚生労働省の統計によると、社会に出てくる20代から急に人数が増えていることがわかります。
そういったネガティブな人間関係を築く第一歩が、上司や先輩から言われる言葉です。
特に新入社員や配属されたての人は、そのターゲットになりやすいでしょう。
学校では(表向きは)当たり前だった「みんな仲良く平和に」という概念が、社会に出ると希薄になります。
守ってくれる親や先生はおらず、事あるごとに仕事と責任を押し付け、自分の気に入らないことには口だけ出してあとは知らんぷり(具体的な改善はしない)をしようとするオナニー中毒者みたいな人がいかに多いことか。
この記事では、経験の薄い新社会人や若人にはパッと見で回避が難しい、会社の人のやっかいな言葉を一覧にします。
ソースは私の経験のみで偏りがあることでしょう。
ここにある事例よりも、もっと過酷な扱いを受ける人もいるでしょう。
まあ、暇潰しに見てみてください
この資料、コピーだけしてきて
新人のあなたはこう言うでしょう。
「はい、わかりました。何部すりますか?」
その答えの分だけコピーを取ります。
あなたが頼まれたのは、先輩上司が作成した資料のコピーだけ。
中身なんて当然知りません。
そしてコピーした資料を持っていくと先輩上司が一言、
「中身確認したか?」
中身なんて確認していません。
だって頼まれたのはコピーを取ることなのですから。
しかしそう言うあなたが続けて突きつけられる言葉は
「社会人なんだから言われたことだけやってちゃダメだろ。コピーする資料がどんなものか自分なりに把握しておかないと」
なるほど確かにそれも一理あるなと、当時の私はこう思いました。
コピーだけとはいえ、自分が携わる仕事についてはある程度内容を理解するのは決して間違ったことではありません。
そこで資料を一部もらって読み込みます。
当然言葉の意味や、制作者の意図することがなんなのか分かりにくいこともあるでしょう。
疑問点をまとめて先輩上司に質問に行きます。
そして返ってくる答えは、
「お前はどう思う。お前なりに他の人に理解してもらいやすいように資料を直せ」
??
そしてめでたく、その資料を作成する責任をがあなたに移管しました。
先輩上司は指導の一環だとして、自分の作成した資料の至らないところをあなたに修正させているのです。
やがてその指導の領域は、あなたが作った部分だけでなく、先輩上司本人が作った部分にまで及びます。
おいおい、そこはお前さんが作ったところだぜ。
そう言ったとしても、「だからなんだ、修正を任された以上はお前が腹落ちして俺に説明できない箇所があったらダメだろ」と返されるのです。
そうしてうまい具合に、この資料は元からあなたが作ったものになり、その改善指導を先輩上司がおこなっているという図式が出来上がるのです。
もともと、あなたが一切関わっていなかった業務だったにも拘らずです。
正直、このムーブは、この上司特有のものかと思いたいですが、
それがどうしてさまざまな場所にこう言う思考回路の人が生息しているのが社会です。
俺が休みの間に〇〇(簡単な作業)だけやっといて
同上。
最初は手伝いだったはずなのに責任を押し付けられます。
もともと指示を受けていたのはその先輩上司なんですけどね。
なぜか「俺もフォローするから」と、謎の関係性を作り出します。
お前の仕事をお前がフォローするのはおかしいだろ。
これが元からあなたの仕事であった場合は、これらの愚痴は該当しません。あなたの仕事を先輩上司がフォローしてくれているだけです。
しかしここでいう「仕事」は先輩上司のものであり、ろくな引き継ぎもせずにシレッと責任の所在が入れ替わるものを指します。
小規模な飲み会やるから幹事だけお願い
さあ、社会人になると切っても切り離せないのが、職場での飲み会です。
現在(2022年)こそ、コロナ禍で飲み会の数自体は減っていますが、以前はそれはもう頻繁にあったのです。
幹事に抜擢されやすいのは立場の低い新人・若手であるあなたです。
お店を決めてコースを決めて、一人当たりの料金(役職性別によって差が出る)を決めて参加者を募ります。
大抵の場合は、幹事をしたい人はいません。
なので断られにくい人に白羽の矢が立つのです。
本当に職場の仲の良い人だけでやる親睦会であれば大した問題にはなりません。せいぜい少しめんどくさいくらいです。
しかし、最初は職場内の飲み会だと聞いていたのに、実際には担当役員が出席するお堅い飲み会になることがチョイチョイあります。
そうすると幹事の責任は途端に重大になります。
少なくとも弊社は役員の機嫌を損ねないことが従業員の責務であるところが目立つ会社です。
役員のスケジュール把握、役員が気に入るメニューがあるお店選定、二次会会場の選定、役員の移動タイミングに合わせたタクシーの事前手配などなど、やることは山積みです。
役員が来るとなると、つつがなく進行することが求められます。
役員の知りたいこと、したいことを事前に想定し、待たせたり役員から催促させるようなことがあってはいけません。
だって役員は赤ちゃんと同じような大切な存在なのですから。
そうなってくると、会の中でも指導されることが多くなります。
流石に役員から直接指導をされることはほぼないでしょうが、周りの人間が茶々を入れてきます。
「どうしてこの料理なんだ」
「役員の方は今年から来られたのだから、参加者分のプロフィール資料を作るべきだ」
「役員の方が打ち解けられるように、他の人間を挨拶に行かせろ」
「乾杯の音頭の時にあれを言う(言わない)のはどういうわけだ」
こんな環境に置かれてしまうと、思うことは一つでしょう。
うるせえ、そんなに言うんならお前らがやれや!!
しかし、それが言える人に幹事は押し付けられず、任されたあなたはそれを言えないということでストレスが溜まることでしょう。
手が離せないから(先輩の携帯に着信中の電話に)出て
あー、電話に出ると担当者にされますよー。
まあ、断ることはできませんが、ある程度の覚悟をしてください。
すでに進行中の案件であれば、そのまま先輩の代わりの御要伺いで構いません。ラッキーだと思ってその職務に殉じましょう。
危険なのは、「新規案件」もしくは「厄介な案件」の連絡です。
新規案件だと…
「これも教育だ、俺がフォローするからおまえがやってみろ」という流れになります。
新規案件を割り当ててもらえるのはありがたいことなのですが、ここで注意点が一つ。
お客さんは先輩上司の携帯に直接連絡を取ってきたと言うことは、
彼らにしか分からない関係性を前提に話が進む可能性が非常に高いです。
新人がわからない暗黙のルールというのは、どんな業界にもあります。
それをしっかりと教えてもらった後であれば、ある程度の戦力になるのでしょうが、そんなことを教えてくれる人は滅多にいません。
マニュアルもありませんし、先輩上司もそれが当たり前のことだと思っているので、教えようがないですからね。
こうなった以上はがむしゃらに頑張ってください。
手厚いフォローは望まないでください。
怒られるの上等、ここで怒られないと後でもっと酷いことになるという開き直りでがんばりましょう。
厄介な案件だと…
ここでいう「厄介」が当てはまるのは二つあります。
一つは「厄介な仕事内容」
これについては、内容が難しかったり、客先の要求基準が大きいものの断れない仕事などが該当します。
担当者は非常に苦労しますが、最終的には部署として判断することになります。
しかし、それが面倒で処理されずに、爆発の時を今か今かと待ち続けている爆弾が回されることがあります。
「私の担当業務が変わりまして、後任は(あなた)が担当しますので、後で本人から連絡させますね」
さあ、これで爆発寸伝の爆弾があなたの手元に回ってきました。
しかしあなたは爆弾処理の経験は浅く、スキルも道具も持ち合わせていません。
頑張ってください。
一つは「厄介なお客さん」
厄介な仕事というのは、最終的にどうにかなることが多いです。
死に物狂いでなんとかするか、お客さんを説得して失注、もしくは仕様を変更して終わらせることになります。
しかし、真に嫌なのは厄介なお客さんです。
彼らはどういうわけか生きた人間であるため、厄介度はかなり高いものになります。
彼らのもつ自由意志(機嫌)に基づき、
自分の主張を通すために、あの手この手であなたを責めてくるでしょう。
先輩上司もその標的になっており、常々そこから逃げたいと思っていました。
そんな彼らにとって、新人であるあなたは格好のスケープゴートです。
先輩上司にとってみれば「これも教育のため」という大義名分を自分に言い聞かせることができ、何か問題があっても「すみませんこいつ新人なんで」で通そうとするでしょう。
厄介な客にとってみれば「何も知らない間抜けが会社の看板を背負ってくるのだから、ここで言質を取れば要求が通りやすくなる」という具合にターゲットとして認識されます。
上司を通せ/担当者同士で決めていいよ
ここは経験が物をいう領域です。
各部署には責任者である上司が存在しており、彼らもまた各々の価値観で動いています。
例えば、仕事の依頼は担当者間でして良いよ、という人もいれば、
上司を通して部署として判断させろ、という人もいます。
私も個人的には、部署間での仕事の依頼は上司を通すべきだと思いますが、そんな手間をとれるほどに無助監の連携は機能していないことが多いでしょう、
そこで出てくる問題が、仕事の依頼をどのようにすべきかです。
先述の通り、上司によって言うことはまちまちですが、
さらに彼らがその時どんな機嫌かによってもいうことが変わってくるケースというのが往々にしてあります。
さらにさらに、「その仕事を依頼する人、依頼を受ける人が誰か」によっても変わります。
例えば、
Aさんは仕事に対する理解が深いので、担当者間でやり取りさせても問題ないだろう。
Bさんは上を通して依頼して欲しいけど、そう言うとヒステリー起こすから放っておくか。
Cさんは個人的に嫌いだから担当者に任せよう。
あなたは新人だから何がなんでも上を通さなきゃダメだろ。
こんな感じです。
もしあなたの上司がBさんもしくはCさんだった場合は、上司に対しては何も言わないでしょうが、あなたはバチボコに怒られる可能せがあります。
これについては経験を積むしかありませんね。
あなたの職場での各個人間のパワーバランス、好き嫌い、派閥といったものを理解しないと予測ができません。
逆に言えば、それらを理解すると、この手の問題は怒らなくなります。
なので、先輩上司が「担当者間でこの仕事のやり取りしていよ」と教えてくれたとしても、素直に鵜呑みにしないでください。
突然怒られても、それほど気にしないでくださいね、
まとめ
ここまでツラツラと愚痴濃度の高い書き込みをしてきましたが、
こういった経験をすることで、たった一つだけ良いことがあります。
それは、自分を守る嗅覚が鋭敏になるということです。
仕事のスキルが上がるとか、社会人経験を積めるとか、そういうメリットもありますが、
それはこういう理不尽を経験しなくても身についていくものです。
社会において、自分に対して理不尽なことが起こるのは当然だということ。
それは往々にして他人から意図的に押し付けられるものであること。
こういう前提を持つことで、仕事におけるあなたの立ち回りは、あなたにとってより良いものになっていくでしょう
「みんな仲良く平和に」という概念はとても素敵なものですが、それを遵守しようとすると餌になってしまいます。
餌にならないためには、餌になる経験を積むか、餌になったケースを知ることが重要です。
時には、公私共に付き合いができるような素敵な出会いをすることもあるでしょう。
心から尊敬でき、仕事のモチベーションを上げてくれる上司というのも存在するのかもしれません。
しかし、そんな素敵な出会いがあるのだという期待は決して持たないでください。
良くも悪くもビジネスライクな関係を築くのが社会における人間関係です。
それ以上の出会いがあったら幸運だという具合に捉えておいた方が、心は安定するかもしれませんね。
コメント