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【ネタばれあり】王道だからこそ面白い「片田舎のおっさん、剣聖になる」の紹介

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今回紹介するのは「小説家になろう」にて連載され、書籍化、コミカライズまで進んだライトノベル

片田舎のおっさん、剣聖になる

です。


いわゆる「なろう系小説」に分類されるため、当初は全く興味が湧きませんでしたが、絵柄が好みだったので戯れに手を出してみればドストライク。

毎度新ジャンルにハマるたびに思うのですが、食わず嫌いはいけませんね。

気楽にみられるサクセスストーリーもいいものだなと今では思っています。

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概要

「佐賀崎しげる」氏による小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載されているライトノベルです。

いわゆる「なろう系」に分類される小説ではあるのですが、物語やキャラクター性が破綻しているなんてことは全然なく、スクウェア・エニックスにより書籍化され人気を博しています。その後「どこでもヤングジャンプ」にて「乍藤和樹」氏作画でコミカライズもされています。

2020年から小説は連載しており、コミカライズ版も2021年から続き、人気の高さをうかがわせます。

中世程度の文明の発達具合と魔法使いやドラゴンが登場する、ありきたりなファンタジー世界を舞台に、田舎で剣術道場を営む中年男性の物語です。

まあ、あらすじがほとんどタイトルになっているのですが。

何人か登場人物でも紹介しましょうか

基本的には主人公のベリルを中心に展開され、複数の登場人物とのかかわりによって物語が展開します。

今のところ特段目立って異質なキャラはいませんが、序盤から登場する主要人物について書いてみます。


ベリル・ガーデナント

物語の主人公の男性です。田舎の剣術道場で師範をしていますが、功名心もなく、生徒たちを立派に育てることに心血を注ぐ独身貴族です。道場も小さく、結婚しろと口うるさい父親に「こんな寂れた道場に嫁に来てくれる人なんかいない」と半ば諦めのような発言もします。

しかし、彼自身の戦闘能力は非常に高く、都では「片田舎の剣聖」がいるという噂のもとになっています。が、彼自身がその剣聖だという情報まではごく一部の人間しか知りませんでした。

何故そんな噂が本人すら与り知らぬところでささやかれたのか、語られるのが楽しみですね。

物語冒頭に、かつて自分が指導したアリューシアという女性が道場を訪れます。その生徒は王国騎士団の団長にまで上り詰めており、指南役としてベリルを指名していたのです。

当然辞退しようとするベリルですが、断られることを想定していたアリューシアは徹底的に根回しをしており、王からの命令書まで持参していました。断ることができないことを悟ったベリルはしぶしぶ指南役として就任することになります。

騎士団長であるアリューシアの推薦とはいえ、得体のしれない中年男性がすぐに受け入れられるはずもなく、副団長であるヘンブリッツ・ドラウトから手合わせを強いられます。

待ってましたと言わんばかりに、ここで彼の実力が披露されます。ベリルが特に優れているのは「観察力」であり、ヘンブリッツの僅かな隙をつき、無傷で制圧してしまったのです。実力が認められたベリルは騎士団に受け入れられ、同じく騎士団で頭角を現していた他の元生徒の女性たちと交流を深めていくことになります。

ここまで来ても彼自身は自身を過小評価しており、元生徒が大成したのは本人たちの努力によるものだと信じて止みませんが、そもそもベリル自身の能力が高いうえに高い観察力によって生徒の実力を引き出せる指導をした賜物という面も大きいでしょう。

アリューシア・シトラス

ベリルを騎士団の指南役に推薦した人物で、騎士団の団長を務める実力者です。幼いころにベリルの道場で剣術の稽古を受けており、ベリルからは当時から高い実力を認められていました。

しかし、アリューシアはベリルの剣筋を見切れたことすらなく、自分より遥かに実力の高いベリルが片田舎の剣術師範に収まっていることが認められなかったのです。そのために騎士団長にまで上り詰め、王国騎士団の指南役というポストにベリルを据えるために行動するのです。

彼女の実力自体も非常に高く、騎士団内では彼女にかなうものはいません。そもそも団長になるためには騎士団内で最強であることも選考基準にあるようです。しかし軍事組織の指揮官は戦闘技術ではなく戦術や戦略に長けていなければ務まらないので、頭も切れるのでしょう。

ベリルを都に招致してからは、彼と特別な関係になろうと暗躍努力しますが、他の元生徒たちの邪魔もあり思うように距離は縮まっていません。

スレナ・リサンデラ

冒険者ギルドで最高位の「ブラック」ランクを与えられている最強と名高い女性です。

スレナはかつて孤児であり、ベリルの道場で保護され短期間修行を積んでいました。のちに他の人に引き取られるまでという短い期間であったものの、スレナはメキメキと実力を上げ、さらに自分を鍛え育ててくれたベリルに対して特別な感情を持つことになります。

冒険者ギルドで唯一「ブラック」の称号をもつ彼女の最大の武器は、無尽蔵ともいえるスタミナと怪力です。剛腕から放たれる一撃は重く、それを連続して繰り出し相手がくたばるまで攻撃の手を緩めることはありません。

かつて災害じみた被害をもたらした「自己再生するドラゴン」ですら、「再生が追い付かないほどの速度で死ぬまで切りつける」という脳筋的な残虐ファイトをもってして駆除しています。

しかし、そんな人間を半ばやめているような異次元の強さを持つ彼女ですら、ベリルの前では膝をつくことになります。

ベリルは持ち前の観察眼をもってしてスレナの攻撃の隙をつき、持ち前の身体能力で彼女の猛攻をしのぎ切ったのです。

ヘンブリッツ・ドラウト

王国騎士団の副団長で、アリューシアに次ぐ実力者の男性です。

突如として現れ、指南役というポジションについたベリルに対して、最初は突っかかり同然の態度で手合わせを挑みます。

これはベリルに対する嫌がらせではなく、騎士団に誇りを持っているからこそ、団長の推薦とはいえ実力のうかがい知れない余所者を簡単には受け入れられなかったのです。

彼は怪力と呼ぶに相応しく、スピードに乗った重い一撃を、曲芸じみた動きをしながら繰り出すという離れ業を行います。その攻撃は騎士団内最強のアリューシアですら完全な回避はできず、受け流すしかなかったほどです。

それを、初撃から見切ったベリルは、繰り返しヘンブリッツから一本を取り続けるという偉業を成し遂げます。

実力の確かさを認めたヘンブリッツはベリルに対して非礼を詫び、その後は友好的な関係を築いていきます。

感想

正式な作品名称は

『片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜』

長いですね。

いつからかライトノベルの作品名は長文化し、読まずともどんな話なのかが分かるあらすじ的な役割も果たすようになりました。

そんな現代において本作のタイトルは目立って長いわけでもないかとは思いますが、「決して目立つ存在ではないものの実は実力者のオジサンが自らが育て上げた優秀な弟子に持ち上げられお膳立てされ周囲にその実力を認識してもらうストーリー」だということがわかります。

とはいえ、タイトルが長ければ駄作だというわけでもなく、本作は普通に娯楽作品として面白いと思います。

「自己評価が低い主人公が実は実力者」という作品は数多ありますが、時折、鈍感を通り越して「イヤミか貴様‼」と邪推してしまう態度をとらされる主人公は存在します。

「また何かやっちゃいました?」とか「弱すぎって意味だよな?」とかは有名ですね。

しかし、本作の主人公「ベリル」はそんな妙な卑屈さは目立たず、なんとなく小気味いい印象を与えてくれる魅力的なキャラクターです。

また、ベリルを囲う人物たち(軒並み美人揃いです羨ましいですね)も常軌を逸した崇拝をするわけではありません。そのため違和感のある展開になりにくいのも良い点だと思います。

さらにコミカライズ版は絵が綺麗で呼んでいて違和感を覚えるようなこともありません。ベリル以下主要キャラは美男美女まみれで見ていて楽しいですね。

ストーリーもテンポよく展開し、ライトノベルの良いところが表面かしていると思います。ベリルも相当強いのですが無敵というわけではなく、苦戦もしますし戦法を工夫することもあるため「俺Tueeeeeeeeeeeeeeeeeeee」かというとそうでもないのも良いところです。

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