Local 58(ローカル58)という動画シリーズをご存知でしょうか。
特徴としては、架空のテレビ局の放映中に放送事故として不可解な映像が流出するというテイストが多く、好奇心をチクチク刺激してくれる素敵な動画群です。
ジャンルとしては間違いなくホラーなのですが、グロテスクな描写はほとんどなく、映像や音響的な不気味さと不可解な物語性を匂わせ、じわじわと背筋が寒くなるタイプのものになります。
この記事では、Local58の投稿した「天体観測」について解説、考察します。
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動画の内容
まずは動画の内容をご紹介します。
この「天体観測」という作品は、通常の放送を何者かがジャックし、不可解な映像を放送するというテイストで進行します。
なお、以下に使用する画像はこちらの動画を参考にしています。
動画の流れ
Local58にて放送予定のリストが表示されています。
この後は天体観測という番組が放送されるようです。
しかし、次の市議会放送ですが、夜中の12:30に見る人なんているんですかね。
これはこれで公式が不可解。
そして番組がスタートします。
ハンク・ハイデマンという人物が司会を務める番組のようです。
どこか古めかしいロゴデザインのOPですが、すぐにノイズが走り、放送をジャックされてしまいます。
突然シンプルなデザインで「天体観測」と表示され、予定していた番組とは別の放送が始まります。
オリオンのベルトやプレアデス星団を写し、明度やコントラストを調整しながら見やすい映像を作り出します。
そして撮影対象は月へ移行します。
当初は月の明かりで真っ白にぼやけていましたが、調整により段々とはっきりとした月の像が映し出されます。
そして、ピントがあった時点でなぜか「彼の玉座」とテロップが入ります。
ここからはカメラ装着している望遠レンズを変えながら、月面の様々な位置を映し出します。
いろいろと不可解なものが映っているような気がしてなりません。
望遠での撮影を終え、一旦カメラが通常のレンズに戻ります。
次の瞬間、強烈な光が発せられ、画面の大部分が白飛びしてしまいます。
右下には突然の明かりに驚いた鳥たちが飛び立つのが映っています。
そして、このタイミングで遠くから大音量のサイレン(警報)が鳴ります。
明かりが収まると、とんでもなく巨大な月が現れます。
撮影者と思しき人物がフラフラと月に吸い寄せられるように前に出て腕を掲げます(中心の影)。
そして、「喜べ」という謎のテロップ。
ここで映像は終了します。
不可解な点
見ての通り、明らかに不審な映像が映し出され、どういった意図の動画なのかは分かりません。
しかし、いくつか不審な点や他の動画との接点があるように思えます。
その中でいくつか興味を引くものをピックアップします。
①当初放映予定の番組名と同じテロップ
電波ジャックにより放送を上書きしているような描写となっていますが、当初放映予定の番組名と同じテロップが冒頭に表示されます。
元から電波ジャックをするタイミングを決めていれば、その時間に放映される番組名を知ることは簡単です。
しかし、電波ジャックまでしておきながら、なぜ番組名と同じテロップを入れるのでしょうか。
②望遠映像が映し出したもの
ぜひ動画でご覧いただきたいのですが、月面を望遠レンズで撮影している際に、雲が流れるような映像が映ります。
ご存知のように月には大気が無いため、雲や風が発生することはありません。
さらに、三角形の明らかに自然には出来ないであろう謎の痕跡が見て取れます。
地球に向いている側の月面にこのような物が見つからずに存在していたとは考えにくいです。
③望遠撮影後の月の挙動
望遠撮影の後に通常の倍率の映像が流れるのですが、この時点で月は画面に映っていません。
そして、すさまじい光を発した後に巨大な月が映し出されます。
しかし、映像左側に映っている木々の形状から、撮影場所が変わっていないことが見て取れます。
光を発するまで月は存在していませんでした。
考察
上記に挙げた不可解な点について、私なりの考察を展開させていただきます。
根拠というほどのものはなく、あくまで私一個人の妄想の域を出ないことをご了承ください。
①当初放映予定の番組名と同じテロップ について
電波ジャックをする目的としてもっとも考えやすいのは、公共の電波に自分の考えを載せて多くの人に見てもらうことがあげられます。
つまり、目立てれば目立てるだけ効果は大きいと考えられます。
しかし、このジャックを行った者は違う意図に基づいていたのでしょう。
つまり、映像が入れ替わっていることに気付いてほしくなかったのです。
一瞬だけ予定通りの映像が流れてしまったものの、そこさえ完璧なタイミングで乗っ取れていれば、タイトルが同じことから視聴者に予定外の映像だと気づかれにくくなるでしょう。
さらに、内容も天体観測を模しているため、それほど整合性が取れない内容でもありません。
この電波ジャックの目的は、元の番組に擬態しながら自身の意図を視聴者に見せつけることだったと考えられます。
これは余談ですが、天体観測にて映し出されるのはオリオン座、プレアデス星団、そして月です。
これらはもしかして神話的な意味があるチョイスなのかもしれませんが、浅学菲才な私にはよくわかりませんでした。
②望遠映像が映し出したもの について
上述のように、明らかな人工物の痕跡や大気を示唆するような描写から、この映像が映し出していたのは我々の知っている月と同じとは言い難いです。
つまり、月を観測した直後の映像が望遠映像なのですが、もしかしたら当初撮影していた月とは異なる天体を映した映像なのかもしれません。
③にも絡んできますが、そもそも天体を映しているかすら怪しいです。
③望遠撮影後の月の挙動 について
②とも絡んでくるのですが、少なくとも撮影時点での月は、私たちの知る月ではない可能性があります。
人工物や大気の存在を示唆する映像も理由の一つですが、発行後に突然現れるなど、通常の天体ではありえない挙動を行います。
ちなみに、「天体観測」に登場する月については他の動画との関連を見出すことができます。
それは「天気予報」に登場する月です。
「天体観測」の映像は「天気予報」当日の出来事を映したものである可能性があります。
「天気予報」についての解説・考察はこちら
そう考えられる大きな理由として、次の3つがあげられます。
1)すさまじい発光の際に警報サイレンが鳴っている。
これは「天気予報」で発令された地域気象台からの警報音であると考えられます。
光量だけで見ても目に悪いレベルのものであることは間違いなく、「天気予報」のタイミングを映した映像であると考えられます。
2)月の光を浴びた人に何らかの影響を与えている。
発光の後に月が現れた際、撮影者と思われる人影が月に向かって歩み寄り、両手を掲げている様子が記録されています。
また、撮影者と編集者が同一であると仮定するならば、月を「彼の玉座」としたり、月が現れた際に「喜べ」というテロップを入れたこの人物は、月に対してある種の崇拝の様な感情を持っていると考えられます。
「天気予報」でも月の影響を受けたと思われる人物が、月を見るよう促したり謎のメッセージを残していることを考えれば、人の精神に影響を与える存在であるという点で同じ月であると考えられます。
3)事件発生の日時が異なる。
「天体観測」と「天気予報」は放映日時と実際の事件発生日が異なると考えられます。
その根拠として、Local58のロゴマークと放映時間の違いがあります。
まず、ロゴについて、
天気予報では以下のロゴが使用されています。
そして「天体観測」では以下のロゴが使用されています。
どちらも日付が分からないため、番組ごとにロゴが違うという可能性も(一般的には考えにくいですが)捨てきれなくはありません。
しかし、放映時間が上記画像のように「天体観測」が先行しています。
仮に同じ日であるとしたら、まだ天気予報の事件は発生していません。
つまり、「天気予報」の際に天体撮影をしていた人物が偶然記録した映像であり、それを何者かが電波をジャックすることで多くの人間になるべく気づかれないように見せようとしているのだと考えられます。
まとめ
Local58に投稿されている動画の多くに月が描写されています。
このTV局が存在している世界では何が起きているのでしょうか。
少なくとも現在我々の世界とは異なる性質を持った月が何かしらの行動をしており、それは人間に対して大きな影響を与えています。
ここまで来ると、これは月と言えるのでしょうか。
私たちの頭上を周回している月は、ただの衛星なのでしょうか。
もしかしたら、作中の世界では月が本来の姿を現しているか、あるいは他の存在に利用されて人間に影響を与えているのかもしれません。
そして、この人間の精神に影響を与えると考えられる存在は、月の他にもLocal58の動画シリーズに登場します。
そう、「最短経路」に映り込んだ人型の存在です。
あの謎の存在も、状況証拠しかありませんが、運転手の意識に何かしらの作用を及ぼし、明らかにおかしな道案内に疑問を抱かせないようにしていた可能性があります。
色々と妄想できる要素は揃っています。
人型の存在は宇宙人であり、月を基地兼攻撃装置として利用して人類に影響を与えているのかもとか、
人型の存在は月が生み出した遠隔起動端末であり、人類に対する干渉は月そのものの意思によるものかもとか、
考え始めればきりがありませんが、まだ明確な答えに繋がる情報がLocal58からは示されていません。
Local58にはまだまだ別の動画が投稿されています。
引き続き、解説と紹介記事を書いていこうと思っています。
この記事が楽しんでもらえれば幸いです。
Twitter:@tanshilog
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コメント
ロゴは年代ごとに違って、2000年ころは長方形のロゴ、この映像は1989年をイメージしているようです
コメントありがとうございます!
どうやら時系列を現すアイテムとして機能しているようで、粋な演出ですね。
情報をいただけてとても嬉しいです!
ありがとうございました!