殺しを禁じられた殺し屋の物語である
ザ・ファブル
単行本11巻から、アキラとヨウコが直接対峙することになる殺し屋「鈴木」とのストーリーが展開されていきます。
ネット広告でも頻繁に見かける、
「ずいぶんナメられたものねー、一人で来るなんて~」
「目線はそれでいいの? 座ってても重心はブレてない? アタシの言ってることわかる?」
「ハンデをあげてるのよ」
で有名な殺し屋VS殺し屋の戦いを解説していきます。
実写は実写で面白いのがファブルの魅力の一つです。
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殺し屋「鈴木」について
ファブルとは異なり、フリーとして活動している殺し屋の一人である、ポニーテールに髪を結った男性です。
見た目は若々しいですが、整形を繰り返しており、実年齢は39歳です。
作中、ほかの登場人物から「年下やろ?」と言われたり「また顔を変えたのか」と言われる程度には見た目と年齢が乖離しています。
人を殺害することに躊躇はなく、また実力も高い人物です。
【殺しもやる何でも屋】のフードの男をあっという間に無力化するほどです。
主人公のアキラと同じく、人物や場の雰囲気を「ニオイ」として正確に検討づけることが可能ですので、アキラには遠く及びませんが、殺し屋としての実力は確かなのでしょう。
使用拳銃
特徴的な獲物として、サイレンサー(消音機)を装着した拳銃を使用します。
少しマニアックな話になりますが、本銃は米国スミス&ウェッソン社が販売していたM39という9ミリ拳銃がベースになっています。
きわめてシンプルな拳銃であり、目立った特徴はありません。
9×19mmパラベラム弾を使用し、装弾数は8発、現代から見れば少し古いと言わざるを得ません。
米海軍特殊部隊「Navy SEALs」の要求により、特殊作戦用にサイレンサーの装着が可能になったカスタムモデル版もラインナップされていました。
それが鈴木の使用しているMk.22 Mod.0 通称ハッシュパピー(Hush Puppy)です。
解説記事
名前の由来は、吠える犬を黙らせるために与えられる簡単な料理がもとになっており、
これを与えればうるさい犬も静かになる=撃たれた人間は静かになる
というブラックなジョークから名づけられています。
また、銃そのものも暗殺用として採用されていたため、非常に消音効果の高いカスタムがされています。
消音効果を最大限にするために、通常の
M39とは違い、特殊な亜音速弾を使用し、専用のサイレンサーを装着します。
サイレンサーの使用が前提の設計のため、非常に大型のアイアンサイトが取り付けられています。
これは、通常のアイアンサイトだと、太いサイレンサーに阻まれて照準することが不可能なため、その対策として考案されました。
サイレンサーのさらに上から照準するということです。
さらに、スライドの作動音や、ブローバックにより開口部が大きくなり銃声が響くのを抑えるため、スライドロックが増設されています。
文字通りスライドの動作を機械的に阻止する機構です。
これらのカスタムの結果、非常に高い消音性能をもっていたものの、サイレンサー内部のバッファの寿命が22発のため、作戦時には予備のインサートを携行していたようです。
そのほかの有名な登場作品としては、メタルギアソリッド3にて、麻酔銃タイプに改造された架空のモデルがネイキッド・スネークの初期装備として登場します。
この銃のチョイスから、独自の入手ルートをもち、消音拳銃を活用するプロの殺し屋だということが分かります。
ヨウコとの戦い
ネット広告でも頻繁に見かける二人の戦いについて解説していきます。
鈴木は、とある仕事においてアキラと接触することになります。
アキラを殺害するために、妹(という設定)のヨウコのもとに情報収集と待ち伏せを兼ねて訪れました。
情報収集といっても穏便なものではなく、土足で家に上がり込み、銃を突きつけながらの尋問です。
それに対して、かの有名なやり取りがなされます。
銃を持った自分に対して落ち着き払った態度をとるヨウコに対して、やはり関係者だと判断した鈴木は、しかし余裕の演出のためかテーブルの上に銃を置いて尋問します。
ヨウコが女であることと、自分の腕前を過信した結果の行為ですね。
そしてかの有名なシーンへと突入します。
「ずいぶんナメられたものねー、一人で来るなんて~」
「目線はそれでいいの? 座ってても重心はブレてない? アタシの言ってることわかる?」
「ハンデをあげてるのよ」
ガアアアアアッ
相手に話しかけつつ、ヨウコはテーブルをいきなり押しました。
手を膝の上に置いていた鈴木は、テーブルに腕を挟まれる形となり、また慣性の法則でその場に残り続けようとした銃をヨウコは奪い取ることに成功します。
形勢は逆転。
今度はヨウコが銃を突きつけながら尋問をします。
しかし、鈴木は余裕の態度を崩しません。
曲がりなりにもプロです。
ヨウコの実力が相当なものだと認めつつも、殺人の経験がないことを「ニオイ」から見破ります。
それを指摘されたヨウコは銃から弾と弾倉を抜き、「自分のやり方に変える」と言い放ちました。
鈴木は自身の動きを封じているテーブルを蹴り上げ、奇襲をかけます。
ヨウコは冷静にそれを避けました。
隠していたナイフを手に迫る鈴木を、見事な格闘でいなします。
急所という急所に乱撃を叩き込み、アキラと同じ6秒以内で彼を制圧することに成功したのでした。
そして一言。
「だって弱いくせに、アタシをナメてるんだもの~」
それ以降の関わり
そもそも、鈴木がアキラやヨウコと接触することになったのは、鈴木がつるんでいた犯罪組織がアキラの勤める会社の社員をターゲットにしたためでした。
社員を助けるために実行犯である鈴木に対して、アキラから接触したのです。
その後、アキラのただならぬ気配からファブルであると推測した彼がヨウコにボコボコにされるというのがこれまでの流れです。
当然ですが、これでおしまいのキャラクターではありません。
ヨウコに制圧された後、椅子に縛り付けられた鈴木はアキラの帰宅まで身柄を拘束されることになります。
鈴木の前には酒に酔ったヨウコ、帰ってきたアキラには「帰っていいよ」と言われる始末。
ひどくプライドを傷つけられた彼は、仲間の元へと戻ります。
その後は仲間とともに本腰を入れてアキラの殺害を計画します。
手榴弾や地雷、アキラと面識のある仲間の女性(ヒナ)を囮に使うなど、持てる戦力の全てを投入しました。
予想通りというか何というか、それでもアキラを倒すことは出来なかったんですけどね。
詳しくは是非作品を読んでみてください。
結果、鈴木は生き残り、一旦舞台から退場します。
作品終盤で、今度は仲間として再登場を果たすのですが、それはまた別のお話。
興味を持たれましたら、是非ご一読ください。
まとめ
ザ・ファブルは、最強の殺し屋である「佐藤明」を主人公にした物語です。
アキラはどんな状況でも確実に殺しを成し遂げる凄腕として、一種の都市伝説的に裏業界で語り継がれています。
彼にとって、作中で遭遇する事件は、どれも大したことではないという印象を持っています。
しかし、殺しのプロとしては、殺さないことはむしろ難しく、作中で発生したいくつかの救出作戦は特に難しかったとしています。
それでも大抵の事態では傷を負うことすら珍しく、相手の仕掛けた罠を鋭敏に回避したり、待ち伏せを強行突破しながらも顔色ひとつ変えません。
今回取り上げた鈴木も、裏の世界では実力者であり、並の相手に負けることはありません。
アキラはともかく、ヨウコの強さからも「ファブル」という殺し屋組織が、いかに強力な戦力を持っているかが分かるでしょう。
鈴木は殺し屋であり、殺人に躊躇も罪悪感も感じない大悪人ですが、それでも登場人物の中では情のある方です。
いいやつとは言い切れませんが。
仲間のヒナをほとんど一般人として状況に巻き込まないように心掛けながらも、親の仇を取るためにウツボ(グループのリーダー格)を殺すのであれば傍観する気概を持ちます。
作中の登場人物で、完全な悪人、誰から見ても悪い奴というのは、あまり登場しません。
キャラクターの多くに多面性があり、それが人間味を演出し、魅力に感じる一因なのだと思います。
今回紹介したシーンの他にも魅力が多く詰まった作品です。
私の文章を見るより、是非ご一読いただくことをおすすめします。
実写は実写で面白いのがファブルの魅力の一つです。
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