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【狂気】おいでよ 魔法少女村(不法占拠)の紹介

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引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より
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ツイッター(現:X)にて「ギンガム」氏が不定期に連載している漫画作品です。

話数が溜まるとkindleでも配信され、現在(2024/01/25時点)で第二集まで配信されています。

近年では「魔法少女」といえば、もはや女の子向けのジャンルではなくなりつつありますが、本作も例にもれず様々な狂気で満たされています。本当に「様々な」狂気を垣間見ることができる素敵な作品だと思います。

今回は「おいでよ魔法少女村」について紹介記事となります。

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作品概要

強力な魔法を使いこなす不死身の存在「魔法少女」が存在する世界で、主に「魔法少女視点」「魔法少女の関係者視点」「一般市民視点」で物語が展開されていきます。

作中世界は現実とは大きく異なる状況に置かれていますが、そこに生きる人々は我々の社会を風刺するかのような振る舞いをするのも魅力の一つです。

直接的なグロテスクな描写は少ないものの、人の命が散っていく様もあります。ゆったりとした描写と残酷かつ絶望的な世界観がすさまじい緩急をつけて読者に襲い掛かります。

魔法少女とは

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

作中人物の言より「魔法を使う少女っぽい見た目だから」という命名理由が明かされています。

本作の魔法少女は「魔法少女捨っ木」と呼ばれる出所不明の謎アイテムを使用することで人間が変身した存在です。

ただし変身の成功率は非常に低く、大半は失敗し「フッ化水素風呂」に入ったかのような反応を起こし、極度の苦痛を味わって死ぬことになります。失敗率は99.9999%を上回るとの描写があり、「魔法少女捨っ木」の使用は事実上の死を意味します。

つまり少なくとも24万人分の失敗データがあるという恐ろしい事実が見えてくるのですが…。

この超低確率を生き残った人物は魔法少女と呼ぶにふさわしい姿に変身し、不老不死かつ強力な魔法を自由に扱えるようになりますが、二度と元の人間に戻ることはできなくなります。

「不老不死」についてはかなり強固な特性であり、人類が保有する兵器では傷つけることすらできず、核兵器の直撃ですら「ほとんどくすぐったい程度」であると魔法少女から明言されています。これはつまり、核兵器を撃ち込まれた個体が存在するという恐ろしい事実が見えてくるのですが。

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

数百年単位で魔法少女として生きている個体も多く、彼らはもはや人間とは違った価値観を持つ別の生命体と化しています。

魔法少女を傷つけられるのは「同じ魔法少女による攻撃のみ」ですが、仮に身体を粉砕され頭部を切り刻まれたとしてもすぐに復活するため殺害に至ることはできません。

そしてこの「魔法」も非常に強力で、現実を書き換える力を持ち、魔法少女同士の戦いで人類は「ついでに」滅んでしまうほどのでたらめな力を持っています。

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

どんなに強力な力を持っていても人類と敵対しない限りは無害といってもいいのですが、そうは問屋が卸しません。現在確認されている個体の半数近くが人間に対して敵対的です。時折魔法少女の戯れに人類の数が1~2桁単位で減る事件が起こりますが、絶滅に至っていないのはひとえに後述の「人類に友好的な個体の尽力」によるものです。

現在把握されている魔法少女は24個体であり、対魔庁はその居場所を管理しようと試みていますが、そうしたところで有効な対策があるわけでもないという絶望的な世界です。

人類が付け入る隙があるとすれば、あらゆる毒を無効化する魔法少女ですが、なぜか酒による酩酊状態は発生します。そのため常に飲酒をさせて陽気になってもらうという対症療法的というか、問題の先延ばし方法のみが取れるくらいでしょうか。

【閲覧注意】フッ化水素の毒性

フッ化水素の毒性及び苦痛については「八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故」が参考になると思います。当時三歳の女の子が歯医者に行っただけなのに極度の苦痛の末に短い命を終えてしまった凄惨な事故です。

「魔法少女捨っ木」

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

上述の通り、人間が魔法少女に変身するのに必要なマジックアイテムです。ぱっと見は女児向けアニメに出てきそうなありきたりなステッキなのですが、なぜか先端部には各種調味料のボトルが取り付けられたような意匠をしています。

複数が存在しており、日本で魔法少女対策に当たっている政府機関「対魔庁」はいくつかを確保しています。

どうやら「魔法少女捨っ木」を手に入れた人間は、ほかの人物に使用を強制したくなるような精神汚染の性質を持つようで、魔法少女に変身することは非常にまれであり、大半が凄惨な死を迎えると知っているにもかかわらず、他人に使用を強制しようとします。

なお、対魔庁は「魔法少女捨っ木」を発見次第確保していますが、その出所は不明であり、所有者でさえ何故持っていたのか分からないと証言します。

魔法少女村

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

タイトルにもある「魔法少女村」とは、魔法少女たちが不法に占拠している区画の通称であり、複数のテントが立てられゴミが散乱していたりと、さながらホームレスの寄り合い所のような様相を呈しています。実際、全域で喫煙が可能、直焚火可能と環境配慮は行われていません。

文字通り不法占拠しているエリアではありますが、魔法少女以外の侵入は特に制限されておらず、対魔庁の役人をはじめ、身の程知らずのユーチューバーまで様々な人間が立ち入っています。当然無事で済むことは少なく、対魔庁の担当者は比較的受け入れられていますが、ユーチューバーは村内で失踪(というか存在そのものの抹消)、帰宅した他メンバーは精神崩壊の上で自死と碌な最後を辿りません。

村長は「晴耕」と呼ばれる、人間に友好的な個体が務めていますが、基本的には自室テントに引きこもり四六時中深酒をしては眠り(気絶)、目覚めると飲酒を始めるといった生活をしています。

ただし、人類に敵対的な個体の多くが晴耕に恩義があるようで、晴耕の存在によって人類滅亡は延期されている状態です。

ただし、すべての魔法少女が村に滞在しているわけでもなく、個体ごとの意思で放浪するため対魔庁の管理(というか居場所把握)も行き届いているとはいいがたく、晴耕による人類の保護の力が及ばないこともあります。

対魔庁

引用元:おいでよ 魔法少女村(不法占拠)第一集より

政府の行政機関の一つであり、魔法少女に対抗するために設立された公的機関です。しかし上述の魔法少女の特性から有効な対策は全く打てておらず、国民からは税金泥棒としてみなされることが多々あります。

作中では同庁の魔法少女対策室の室長と、職員の男性(神奈川)が登場し、頻繁に発生する反魔法少女団体(反魔)のデモに辟易としている様子が描かれます。核も聞かない連中にどうしろっていうんだと室長は開き直っている有様です。

しかし対魔庁も決してサボっているわけではなく、殉職率の高い職場とされ、室長の同期の大半が職務に際して死亡していることが示唆されています。彼らの尊い犠牲によって現在の魔法少女封じ込め方法(酒を与えて陽気にさせ人類根絶の気を起こさせない)を確立したのでしょう。それと同時に魔法少女の根本的な封じ込めは不可能であり、人類の滅亡はきっかけさえあれば簡単に起こる状況だということも理解しています。

特に神奈川は魔法少女村を自由に出入りできる希少な人物であり、魔法少女とも比較的良好な関係を築いています。その方法が宴会なので頻繁に酔いつぶされていますが。

彼個人は晴耕に対して一定の信頼を寄せており魔法少女がらみに事件が起こると真っ先に相談しますが、世間一般からは「魔法少女=殺人鬼」と見なされているため、頻繁に宴会を開いているというわけです。

登場人物

作中の登場人物は地名性を与えられており、特に魔法少女の多くは北海道の地名が由来の名づけをされています。

以下に数名の詳細を解説します。

魔法少女

引用元: https://www.pixiv.net/artworks/113495255#manga

苫小牧

本作の主人公に相当するキャラクターで、唯一変身前の人間だったころの姿が描写されています。

変身後はピンク髪のツインテール、ノースリーブのセーラー服を着た少女といった風貌です。もともとは肥満体系の43歳男性で、会社中からパワハラを受けているサラリーマンでした。社長が「魔法少女捨っ木」を入手した結果、苫小牧に使用を強制させ、奇跡的に変身に成功しています。

変身直後に社内の人間を多数殺害して逃亡。そのまま魔法少女村にたどり着き迎え入れられました。

魔法による大量殺人を行ってしまった自責の念から自死を望みますが、魔法少女は不老不死で死ぬことはできないということを教えられ、一時期は精神が相当に不安定になっていました。

魔法少女になって日が浅いため人間的な良心を持っており、自身の力を人助けに使うことが多いです。しかし人間からは人殺しの化け物と認識されており苦しむことも多くあります。

基本的には常識人かつ善人なのですが食習慣が狂気じみており、常人では考えもつかないようなトッピングや調理をしたうえで、かなり下品に汚く食べるという悪癖がありますが、本人はその異常さに気づいていません。

その異常な食べ方によって魔法少女をひるませることが可能で、暴走した魔法少女の人類を滅ぼそうという気を逸らす目的で利用されることがあります。死ぬことのない対魔法少女戦闘においては戦意を喪失させることが決着につながるため、うまくハマれば周辺被害を出さない非常に有効な戦法になります。

母親が介護施設に入所していますが、魔法少女の親族は冷遇される社会であるため会いに行かないほうがいいと根室に諭されて以降、遠くから見守る程度にとどめています。かわいそうですね。

根室

苫小牧を魔法少女村に引き入れてくれた個体で、黒髪で後頭部に大きなリボンを付けた可愛らしい見た目をしています。非常に明るい性格をしており、大半のシーンで楽しそうな笑顔を浮かべています。

行動力もあり、魔法少女がらみの事件解決を受けた晴耕の指示で苫小牧と行動を共にすることもあります。

一見友好的に見えますが、作者のギンガム氏のキャラクター説明では、危険度・敵対度ともに中間に位置しており、状況次第では人類に敵対することも考えられます。実際、作中で苫小牧による犠牲者の子供が復讐に来た際には害意をむき出しにして殺害しようとしました。

年齢は120歳以上であり、正確には本人も把握していません。1900年前後の生まれとなり、戦前の人であることがわかります。

晴耕(セイコ)

チャイナ服を着用しベレー帽をかぶった三つ編みの女性の風貌をした個体です。いわゆる魔法少女というよりは格ゲーのキャラにでもいそうな見た目です。

魔法少女村を設立した村長であり、村民からも強い信望を得ています。常時自室テントに引きこもり、起きている間は酩酊状態になるまで飲酒して気絶。目覚めてからも同じことを繰り返すという生活をしています。

しかし、作中で人類が不安定ながらも生きながらえていられるのは、ひとえに晴耕の存在あってのものなのです。

現在でこそ飲んだくれて事態解決のために自ら動くということはありませんが、かつては自身を含めた魔法少女たちを救うために百数十年も恥辱に耐えて尽力し、人間とも手を組み、永遠の檻から魔法少女を開放するために日夜奔走していました。つまり元の人間に戻る方法や死ぬ方法を模索していたのでしょう。

そういった経歴のためか、ほかの魔法少女からも慕われており「晴耕が悲しむから」という理由だけで人間を滅ぼすことを思いとどまっている個体がいるほどです。

人類にとっても唯一すがれる希望であり、晴耕の存在なしに滅亡を免れることはできない状況です。

年齢は270歳から数えていないほどに高齢であり、すくなくとも江戸時代から魔法少女として生き続けています。

ちなみに晴耕は北海道の地名には存在しませんが、北海道のコンビニ「セイコーマート」からとられたものと思われます。

釧路

猫耳の生えたカチューシャを付けたバニーガール(この場合はキャットガールになるのでしょうか)といった風貌の個体です。

堅苦しい口調で話し、いつも眉間にしわが寄ったような表情をしています。晴耕の世話を率先して行っており、ほかの魔法少女からは「お前が世話をするから晴耕が外に出てこないんだ」といわれるほどの甲斐甲斐しさを発揮しています。

かつて二度あった人類滅亡の危機の一回は釧路が原因だったとされています。その際も絶滅こそ免れましたが総人口の桁数が変わるほどの被害を起こしました。今でも人類に対して友好的ではありませんが、晴耕が悲しむという理由で個人の殺傷も控える傾向にあります。

人間だったころはラーメン屋を経営していたようですが人気は出なかったようです。用意した替え玉が注文されたことはなく、それどころか完食すらしてもらえないありさまだったといいます。晴耕はそのラーメンを喜んで食べてくれるということで、魔法少女村でも時折ラーメンを作っています。

作中の描写から、野菜マシマシの次郎系ラーメンを作っていることがわかり、今でこそ人気ですが、過去において次郎系ラーメンは早すぎた料理だったのでしょう。

年齢は数えていないものの晴耕よりは年下といっており、おそらく晴耕の尽力を間近で見ていたために崇拝に近い扱いをしているのでしょう。

なお、人間だったころには妻と娘がいたことが明かされています。

網走

白髪ロングの髪形に、白ランと袴を組み合わせたような珍妙な服装をした個体です。外見的な特徴として、左目部分が前髪で隠れているのですが、その髪の上に下向きに開口した「C」のような図形が描かれている点があります。

あまり表情も変わらずダルそうな雰囲気を醸し出す喫煙者ですが、安全な個体といえるかというとそうでもなく、人類に対しては特別な配慮をすることはあまりありません。

他の個体同様に晴耕の意向を第一に人間と接しており、魔法少女教という新興宗教が人間の間で流行りだした際には、その宗教に怒りを持ったほかの魔法少女が人類を皆殺しにすると晴耕が悲しむため、魔法少女教の関係者を先回りして皆殺しにしようとする程度には攻撃性を持っています。

また、それを阻止するために晴耕に報告しようとした神奈川を殺害することも厭いません。その後、釧路が「晴耕のお気に入りだから」という理由で神奈川を蘇生させてくれてはいます。

他にも、下品なナンパをしてきた男にキレた釧路が男を殺そうとした際には、「晴耕が悲しむからやめろ」と止めていました。その後男たちは網走によって両腕と性器を切り落とされましたが…・

年齢は完全に忘れていますが、晴耕よりは下だと思うと推測しています。

弟子屈

メイド服のような意匠を着用した個体です。一軒のファミレスに何故か滞在しており鉱物のフライドポテトを食べたり栽培しようとしたり話しかけたりして過ごしています。

店を気に入っているというよりも、店長を気に入っているようで、店長が弟子屈の相手をしたくないがために辞職を申し入れた際、本社ビルの9割をジャガイモにするという嫌がらせを行っています。そのため店長が辞めたいというと、本社からはふざけるなという回答が返ってきます。

フライドポテトのお墓を作ろうとしたり、畑を作ってジャガイモを育てようとするなど、やりたい放題しますが、理屈を添えて拒否をすることで理解してくれるという物分かりの良さも持っています。ほかにも粗暴な態度をとる客が来た際にはクレジットカードの限度額いっぱいまで注文させる程度に制裁をとどめており、普段の言動に反してぶっ飛び度はそれほど高くありません。

名寄

オーバーオールを着用した個体です。魔法少女村ではなく山中に住んでおり、人間のことを「食べたいほど大好き」であると公言しています。実際に食人を行う癖があり、罪人を食べて人口問題を解決することができると宣っていますが、頻繁に人類の大量死が起こっている作中世界に人口増加による問題なんてあるんですかね?

罪人を食べる理由も罪人を生かしておくにも金や労力がかかるからその解決としていますが、いわゆる受刑者がいなくなれば軽犯罪者や人に迷惑をかけただけの人まで食害対象にするといっていることから、人間を食べるための口実づくりでしょう。

とはいえ、人間を食べるという点以外では比較的まともな感性をしています。というより子供っぽく、天然の気質がある白老とは口論に発展することも多いですが、基本的には仲良しです。

人間との関係性

引用元: https://www.pixiv.net/artworks/113495255#manga

上記の図は人間に対する「危険度-安全度」「敵対度-有効度」のポジショニングマップです。

見ての通り約半数の個体が人類に対して敵対的かつ危険度が高く、作中では戯れや暇つぶしのように人間の大虐殺をしようと試みます。

それを阻止しているのが友好的かつ安全な立場をとっている個体たちです。

散々上述してはいますが、特に晴耕は多くの魔法少女にとって非常に好かれており、敵対的かつ危険な個体も「晴耕が悲しむから」という理由だけで思い立った人類の虐殺をやめるほどの信頼を得ています。

ほかにもポジショニングマップ上で晴耕と同様に人間に友好的な「猿払」という個体は、晴耕のような求心力はないものの、魔法少女の引き起こす人間への被害を食い止めるため個人的に尽力しています。

そもそも、なぜ人類に敵対的な魔法少女が多いのでしょうか。

これについては明確な回答は示されておらず、描写から推測するしかありません。

なので以下は私の考察というか妄想となります。

彼らは数百年にわたって魔法少女として生き続け、その中で段々と人間性を失い、内面的にも別の生物に変貌していきました。

さらに、魔法の持つ力は人類には抵抗を許さないほどに強力であり、今では「魔法少女=殺人鬼」という図式が出来上がるほどに恐れられています。(かつては神としてあがめられたこともあるようですが)

魔法少女の多くは、そんな人間の浅ましさに呆れや怒りをベースに持っているのでしょう。

中には名寄のように人間が大好きで食べてしまいたいという友好的かつ危険な個体も存在するため、上記の予測がすべての個体に当てはまるわけではないでしょうが。

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