人と人が関わって社会を形成している以上、
人間が誰しも怒られることがあり、
怒られれば大なり小なり凹んでしまうものです。
歳を重ねるにつれて、あるいは集団での立場が偉くなるにつれて怒られることは減りますが、逆にそこまで行って怒られたときのダメージは計り知れないものになっているでしょう。
公的機関だったり世論が相手になっていることもあります。
いずれにしろ、多くに人にとって怒られることは珍しいことではなく、若い人ほどその頻度は多いと思います。
特に今年から新社会人となった方たちにとっては、今までの学校生活とは違う、社会に対して責任ある立場になることで、何かと指導を受けたり、時には厳しく怒られることもあります。
理由が何であっても、怒られるのはとても辛いものですし嫌なものです。
社会人になって何年経とうが、怒られればますます仕事に行きたくなくなります。
この記事では、
新社会人の方向けに、
仕事の上で怒られるとはどういうことなのか、
怒られたらどうしたらいいのか
という情報をまとめました。
この記事を読むことで以下のことが得られます。
- 怒られたときにすべきこと、考えるべきことが分かります。
- 怒られたことによる辛い気持ちが和らぎます。
- 怒るの人の気持ちが分かります。
Twitter:@tanshilog
怒られたときの不快感は自然な反応
はじめに
人は怒られれば辛いと感じるものです。
程度に差はあれど、怒られるのが辛い、嫌だと感じるのは おかしなことでも弱みでも、ましてや甘えでもありません。
最近の若者だろうが、かつて若者だったオジサン連中だろうが、辛いものは辛いです。
余談ですが、「最近の若者は」というのは、醜く恥ずかしいマウント的言葉だと思い、私は言わないように心がけています。
経験も積んでいない若者が何でもできるようになったら、口やかましいだけの年寄りはお払い箱ですしね。
さらに余談ですが、かの有名なプラトンは、著書「国家」の中で「若者は年長者の言葉を聞かず、大切な教えを自分たちにとって都合の良いように曲解している」(意訳)と記していることから、少なくとも2,000年前から我々人類は代を重ねるたびに「最近の若者は」と言われるほどにレベルが落ちていることになってしまいます。
人類は年月を重ねるたびに愚かになっているのでしょうか。
怒る人の心理
余談が過ぎましたが、本題に戻って、なぜ人が怒るのかを一言で表すならば
自分の思い通りにならないことが起きているから。
と言えるでしょう。
たとえば、
正当な理由なく自分や大切な人が肉体的あるいは精神的に傷つけられれば怒りを感じ、
自分の指示を他人が聞いてくれなければ怒りを感じ、
約束を破られれば怒りを感じるのは、
自分の思い通りになっていないからに他なりません。
つまり、怒ることの究極の目的は、自分の思い通りに物事を通すことであり、暴力あるいは恐怖を用いた原始的な説得と言えるでしょう。
そういった怒りというのは世界には幾らでもはびこっていますが、
この記事のテーマである「職場で怒られた場合」に絞って考えると、怒る人というのは以下の2パターンが存在しています。
①相手の改善点を明確にし、成長を促す。
この場合の目的はあくまで相手の成長を促し、悪い点は改善し、自分が期待するような仕事が出来るようなることを求めているのです。
いわゆる教育的指導に当たるパターンですね。
このような人にとって、怒った相手が落ち込んでしまったり委縮してしまうことは望まない副次的な現象になります。
②相手を委縮させて自分の言う通りにさせたい、もしくは自尊心を保ちたい。
中には相手に攻撃的な接し方をして、相手が委縮することで自分の自尊心が満たされると感じる悪鬼羅刹がいます。
相手の粗を探して、指導の皮を被った重箱の隅をつつく様な攻撃をするのです。
そして、自身よりも立場が弱く反撃してこない人、つまりは自分の方が立場が上になりやすい部下や後輩、店員をその対象にするのです。
こういう目的で怒ってくる人は、相手が落ち込んだり委縮している様を見て、自分の権威というか有能感を満たします。
あるいは、相手が落ち込んでこその指導だと履き違えていることもあるでしょう。
いわゆる自己満足で野性的というか原始的なパターンです。
怒られたときにすべきたったひとつのこと
さて、上記の2パターンの人が、これからあなたに対して怒ってくるのが予想されます。
新人が怒られずに仕事をするのは無理でしょうし、それが当然なので、怒られること自体に引け目を感じないでください。
怒られたときに、やるべきことは、たった一つ。
自分の至らない点を反省し、その改善に向けて前向きに取り組むことです。
当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、逆に言えば落ち込みすぎたり、委縮して引っ込んでしまってはいけないということです。
その理由を以下にて説明します。
①のパターンの人にとって
怒られたことであなたが落ち込み、委縮してしまうのは望んだ結果ではありません。
それよりも、あなた自身の至らない点については真摯に反省し、
それを克服するために前向きに取り組みましょう。
適切な改善方法が分からなければ、臆せずその人に相談しましょう。
育成のためにあなたに対して怒っただけなので、それによって前向きに改善に取り組んでくれるあなたを、可愛がって手塩にかけて育ててくれるはずです。
さらに、改善に前向きな人に対して厳しい口調で怒る必要はありません。
そのため、あなたはだんだんとキツイ怒られ方をしなくなるというオマケも付きます。
このような前向きな姿勢は怒った人から評価され、周囲からも怒られてもめげずに頑張っている人と見られますし、何より自分の成長につながるため非常に重要なことです。
ここで過剰に落ち込んだり委縮してしまうと、怒った側としては目的が果たせず、より厳しい指導につながる可能性がありますし、何より自分が成長できず自信も失うことになります。
②のパターンの人にとって
怒られたときに過剰に落ち込み委縮してしまう人は絶好のカモになります。
自己満足的な目的を達成できるため、サンドバッグにされてしまうことが懸念されます。
しかし、落ち込ませようとしたあなたが、前向きによりアグレッシブに取り組むようになれば、この人にとってあなたにサンドバッグとしての価値が無くなります。
また、粗を探した結果とはいえ、至らぬ点があったことに間違いは無く、改善の余地があるということを教えてくれてもいます。
そういう自分の成長にとって有益な部分は取り込んでしまいましょう。
さらに、前向きな新人だとして、この人があなたを見る目も変わるでしょう。
そういう立ち位置を得られれば、粗探しの意地悪ではなく、正しい指導をしてくれるようになります。
自分は成長できて、さらに厄介な人に狙われなくなり、その人を味方にできるかもしれない、というメリットが同時に得られます。
ここで過剰に委縮してしまえばターゲットにされ続け、自身の成長につながらないどころか、心身の健康を害してしまう可能性があります。
まとめ
上記で記載した内容については、あくまで基本的な心構えとして考えてください。
中には、相手をいじめることに生きがいを感じる人間もいます。いちゃもんをつけてくるだけで自分の成長につながらない人もいます。
そういう人からは距離を取ってください。
心身の健康が損なわれるほどに辛い環境であれば逃げてください。
嫌だから逃げるのは甘えかもしれませんが、このままじゃ健康を害するからという理由で逃げるのは甘えではありません。
炎天下の中、熱中症をさけるために日陰に入るのと同じです。
社会人になっても、残念ながら害悪にしかならない人は少なからず存在していて、少し時間が経つと誰がそういう人なのか見えてくると思います。
「良い人そう」という第一印象は、経験から言って正しくないケースの方が多いです。
というよりは、「この人は良い人そうだ」と自分が勝手に思ってしまったがゆえに、想像と違うことをされるとギャップに苦しめられることになります。
これも勝手に期待して、当てが外れたことによる怒りですね。
相手がどんな人に感じたとしても、よく知るまでは胸襟を開かないでください。
過度に警戒することはありませんが、「詳細不明な人」として中立的に付き合うべきだと個人的には思います。
まあ、私の人を見る目が無いだけかもしれませんが。
相手を変えることは出来ませんが、自分が変わることによって周囲の環境を変えることは出来ます。
「最近の若い奴は」とか、「これだから○○世代はダメなんだ」とか言われるかもしれませんが、気に病まないでください。
それを言っている奴らも、かつては言われている側だったのです。
所詮はその程度の奴なんだな、という認識で問題ありません。
誰が何を言おうと、これからの世界を引っ張っていくのは、今の新入社員、これから社会人になる あなた達です。
最初は上手くできるはずがありません。
それをうまくできるように指導するのが我々の務めであり、あなたたちは自分の為になるよう成長するのが務めです。
そして、あなた達の後輩が社会に出てきたときは、彼らを育ててあげてください。
社会に出ると、想像以上に辛い目に遭うことがあります。
それでも辛いことばかりではありません。楽しいことや充実感を得られることも多くあります。
あなたの周りの人たちも、みんなそれを経験し今に至るのです。
無理のない程度に、ぜひ頑張ってください。
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怒らない人ほど気を付けて
少し本筋と離れますが、おまけとして以下もご参考ください。
最初に述べたとおり、怒る理由とは自分の思い通りにならないから。
つまり、期待外れの結果に対して怒りを感じるのです。
それを念頭に置いて、以下をお読みください。
あなたたちが配属される仕事場に、全く怒らず指導してくることもない穏やかな先輩がいるかもしれません。
他部署の人や新人がミスをしても怒らず、上司や客先からの無茶ぶりに淡々と応える人が組織にはいます。
一見、そういった人は物腰も柔らかく怒らないために優しそうに見えますが、
彼らの正体は他の人に一切期待していない人々です。
そういうスタンスが良い悪いという話をするつもりはありませんが、あなたを含めて誰にも期待していないので、積極的な教育には関わらず、聞けば教えてくれるかもしれませんが、最後まで面倒を見てくれるタイプとは限らないことを留意してください。
以上、蛇足でした。
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