自衛隊に入隊すると、
基本的な教育を受けるために
教育隊がある駐屯地や基地等に配属されます。
教育期間中には原則外泊は許可されず、
自衛隊の生活や業務になれるために
営内での生活を強制されます。
本記事では、教育隊での体験談の中でも睡眠をテーマとして取り上げます。
全体的な体験談はこちらの記事に書いてあります。
この記事は以下の方に役立つかもしれません。
- 春から自衛隊に入隊する方
- 睡眠が上手くとれない方
始めに結論
睡眠は疲労回復の為の行為です。
良い睡眠は良い疲労から。
つまり
訓練で全力を出し切りましょう。
教育隊初日の夜は眠れませんでした。

自衛隊に入隊される方は、
言うまでもなく自分の意志で自衛官を志しているため、
やる気のある方たちのはずです。
しかし、全く新しい環境での生活に加えて、
大半の人には馴染みのない
軍隊生活
が始まれば誰でも緊張します。
もちろん、入隊初日から厳しく指導されることはありませんし、
班長もまだ優しいです。
入隊式までの大半の時間は、被服の受領や
行進の訓練などの簡単な作業が続きますが、
小心者の私は初日から緊張してうまく眠ることができませんでした。
それでも、ある種興奮状態にあった脳は
寝不足を苦痛と感じずに
また、それほど大変でもないことをするだけなので、
それほどパフォーマンスが落ちることはありませんでした。
そして、数日たつと眠れるようになります。
少し慣れたころにも上手く眠れなくなりました。

有名な話ですが、自衛官としての宣誓をしたころから
訓練は本格化し、班長も大変厳しくなります。
訓練自体はそれほど難しくありません。
かなり大変ではありますが。
ことあるごとに班長達に怒鳴られ、反省の腕立て伏せをし、
たとえば入室の手順などの細かなルールを逸脱すれば反省を与えられます。
教育期間中は、自分だけの自由な時間は無く、
右を向けば同期
左を向けば班長
前を向けば訓練
後ろは存在しない
こんな状況で生活をしていきます。
時給換算にするととんでもなく薄給だと思いますが、自衛隊は時給労働ではありません。
そんなこんなで、訓練が開始してから少しした頃、
眠るのが嫌になりました。
幸いにして不眠症や鬱などにはなりませんでしたが、
床について、消灯ラッパを聞きながらこんなことを思うのです。
あと数時間でまたラッパに叩き起こされ、朝っぱらから班長に怒鳴られるのか。
明日はどれくらい怒られるのかな。
またキツイ訓練しか待っていないのか。
やることをやる、それが事態を好転させるカギです。
そんなこんながありながなも、
時間は流れて朝は来ます。
朝が来れば新しい一日が始まり、訓練は進んでいきます。
寝る前にネガティブな気持ちになり、
眠りが浅くなることもありましたが、
最初に結論を書いたように、
疲れてしまうことが良い睡眠をとるコツです。

ある日、一日丸ごと使って戦闘訓練をする日がありました。
私のころは64式小銃でしたが、銃を始め銃剣や鉄帽などで身を固め、
何百メートル分も匍匐前進をしたり、突撃をし続けた日がありました。
結果、課業終了したときには体力はゼロ。
若かったのでその日の内に全身が筋肉痛になりました。
その日もいつも通り身支度をしたり翌日の準備をしたりして床についたのですが、
気づいたら朝になっていました。
全身の筋肉痛は残っていましたが、
久しぶりに頭がすっきりした目覚めを体験できました。
疲れ=睡眠という簡単極まりない関係にようやく思い至ったのです。
よく考えなくても、訓練で全力を出すのは当然です。
全力を出し疲れきることが良い睡眠をとるコツだと気づいてからは、
訓練に積極的に取り組むようになりました。
もちろん、それまでも決してふざけていたわけではありませんでしたが、
疲れたくないがゆえに力をセーブしていたのは間違いありません。
当たり前ですが、全力で訓練に励めば、自分の実力に繋がります。
そして自衛隊という組織は新隊員にそれを求めています。
結果、進研ゼミの広告みたいな形になりますが、
全力を出し切るようにしたことで、
班長からの覚えも良くなり、訓練成績もよくなったように思います。
さらにぐっすりと眠ることができるようになったので良いこと尽くめです。
強いてデメリットを上げるとすれば、
全力を出せば非常に疲れるということですが、
自分が自衛官であることを忘れてはいけません。

訓練で流した汗の分、実戦で流れる血は少なくなるのです。
言い方を変えれば、訓練で全力を出し、
疲れと引き換えに実力を得ることが自衛官の仕事です。
私も含め、自衛隊に入った人はその覚悟を持つべきでしょう。
まとめ
なんだかんだと書き連ねましたが、
結論は最初に言った通り、疲れるまで全力で訓練に励みましょうということです。
ただし、本当に眠れなかったり、心身に異常が出た場合は
迷いなく上官に相談してください。
班長に言いにくければ同期でも誰でもいいので助けを求めてくださいね。
自衛隊での生活の中で、間違いなく辛い体験をします。
辛いのは民間企業でも同じですが、
良い意味でも悪い意味でも民間とは違う世界であり、
求められる役割も違います。
とはいえ、決して達成困難な状況ばかりではありません。
一つずつ困りごとを解消し、頑張ってください。
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