日本を含めた世界中で市民権を得たといっても差し支えの無いゾンビ。
死体が動きだし、生者を襲い、噛まれたり引っかかれたりすると自分もゾンビ化してしまう上に、頭を破壊しないと動き続けるという恐ろしい化け物です。
映画やゲームでは、彼らゾンビは動きは愚鈍ながらも、銃撃すらものともしないタフネスさで生存者を取り囲み、生きたまま食い殺すという存在です。
しかし、最近では走ったり変異して特殊能力を持ったりとバリエーションも豊かです。
いざゾンビが出現した際は、根本的には原因となる要素(ウイルスや細菌、呪術者)を何とかしなければいけませんが、そのための時間を稼ぐため、もしくは一般市民が生き残るためにはゾンビとの戦闘が必要になります。
バイオハザードに代表されるように、ゾンビに対して安全に攻撃するには出来るだけ距離を離すことが大切です。
つまりは銃を初めとした武器兵器による、遠距離攻撃かつ致死的攻撃が必要になってきます。
しかし、フィクションのゾンビは、行動を司る頭部を破壊しなければ活動を停止しないことが多いですよね。
そんな彼らに苦戦し、警察や軍隊はゾンビに対して総崩れとなってしまうのです。
しかし、もし現実においてゾンビが発生した際、本当に銃の効果は薄いのでしょうか。
この記事では、ゾンビに対する銃撃の効果について解説します。
ああ、言うまでもありませんが、お遊び記事ですよ。
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【そもそもゾンビとは】
元々はブードゥー教の呪いの一種であり、死後に自我を奪われて肉体を蘇生さえられて奴隷とされる呪術を基に発展した存在とされています。
やがて1932年の「恐怖城(ホワイトゾンビ)」という映画でフィクションの世界に仲間入りしました。
当初は人間に危害を加える動く死体という化け物でしたが、時代が進むにつれて吸血鬼の要素である「噛まれた者を仲間にする」という特徴が組み合わされることで現在のゾンビの原型が出来上がりました。
現在においてはゾンビ発生の原因として人気なのは、ウイルスや放射線、寄生虫、その他未知の技術によるもので、オカルト的なものは少なくなってきました。
現代のゾンビといえば「死体が蘇り、噛まれると感染しゾンビ化し、頭を破壊しないと動き続ける」というイメージになっています。
そのイメージを定着させた立役者は「バイオハザードシリーズ」でしょうか。
【想定するゾンビ】
以下のスペックを持ったゾンビの発生を想定します。
- 外皮硬度は人間と同程度であり、銃撃はもちろん、打撃、刃物や突起物による刺突で内部構造を破壊可能。
- 走ることができる。
- 知能は低く道具は使えないものの、扉を突破したり梯子をよじ登ることは出来る。
- 脳を破壊されると動きが止まる。
- 五感は人間の感覚器官に依存する。
【銃器の解説】
言うまでもないことですが、
銃器とは、成形された鉛の塊を火薬の力で押し出し、着弾点に破壊力をもたらす工業製品です。
弾頭は多種多様であり、大きさや重さの違い、硬度をあげて貫通力を高めたものや逆に柔らかくすることで人体に対して破壊力を上げたものまで存在します。
用途としては、人間を含めた動物の殺傷、人工物に対する射撃競技になります。
火薬の爆発力によって弾丸が射出される関係上、同じ射撃武器である弓や吹き矢に比べて射出速度が速く、音速を超えることも珍しくありません。
また、連続射撃能力も高く、特に警察や軍(自衛隊)が使用する拳銃や小銃は10-30発程度は継続して発砲可能です。
民間仕様であっても、例えば米国の多くの州では連発(フルオート)機能がオミットされただけで、装弾数は変わりません。
銃規制の厳しい日本でも、散弾銃であれば2発、ライフルであれば5発は比較的短い時間で発砲可能です。
【ゾンビに銃撃(武器)が有効な理由】
まず初めに、映画と現実の違いとして顕著なのは、射出された弾丸がもたらす破壊は、貫通だけではないということです。
弾丸が肉体に侵入した際、衝撃波により周囲の細胞組織を弾頭を頂点にした円錐状に破壊します。
口径が大きく、速度が速いほど破壊範囲は広くなります。
撃たれた部位には銃弾の直径分の穴が開くだけではなく、おおよそ「こぶし大」の空洞が瞬間的に形成されます。
併せて、体内で弾頭が不規則に回転することで、抉る肉の量を増やし、傷をより大きくしています。
なので、「貫通したから問題ない」ということは一切なく、
痛みはもちろん、筋線維が損傷しているため、物理的に動かすことが困難になります。
ただし、貫通した方が良いというのは間違いではなく、体内に異物が無いため止血や治療が比較的容易になります。
まあゾンビ相手には関係ありませんが。
話題を戻して、
上記の理由から、痛みを感じず、出血による影響が無いゾンビであっても、多数の銃撃を受けることで筋線維や骨格構造そのものが破壊され、死なないまでも活動できない状況に追い込むことが可能なのです。
映画のように何発も銃弾を受ければ特にそうです。
筋肉はズタボロになり、体重を支える骨格は弾丸によって抉られているでしょう。
仮に頭部が無傷であったとしても、物理的に姿勢を維持できなくなった以上、その場に倒れ込みます。
そうなってしまえば、元気に身体を身じろぎさせ、口をガチガチさせる以外に、ゾンビに出来ることはありません。
そもそも、ゾンビ禍が発生したと仮定し、最初の方こそパニックになるでしょうが、人類が組織的に行動できる限りは、ゾンビを銃を用いて無力化するのは難しくはありません。
上述のような肉体の破壊もそうなのですが、そもそも身を隠さずに一直線にこちらに向かってくるゾンビの頭を撃つことは(射手のメンタルは別にして)そう難しいことではないのです。
日本の場合、警察官はともかく、自衛官は敵のバイタルゾーンを射撃するよう訓練されています。
現代は、人対人というか、近距離戦闘が重視され、従来のように数百メートル離れた陣地間で撃ちあうのではなく、数メートルから数十メートルの距離で敵を即座に無力化(射殺)出来るような戦いが増えています。
不意打ちを食らえばその限りではありませんが、「ゾンビが現れ、頭部への射撃以外では死なない」という事前情報さえあれば、有利に戦うことが可能です。
重要なのは銃の利点を生かせる十分な射線の確保と、不意打ちを食らわないよう閉所での行動を避けることです。
幸いにして敵は音や光に集まる習性があるため、我に有利な状況を演出することで、比較的簡単にキルゾーンを設定できます。
【軍事組織が本気を出せば、もっと容易です】
銃でも十分に駆除できるとは言ったものの、当然状況によって難易度は大きく変わります。
一度に発砲される銃弾の数がゾンビと同等以上である内は、それほど苦戦しないでしょう。
問題は接近される前に無力化できなくなるほどゾンビの数が増えた場合です。
人体は銃弾にとって十分な盾として機能します。
密着していれば貫通した銃弾は背後のゾンビも傷つけられるかもしれませんが、それでも山の様なゾンビが来た場合は、銃では後ろのゾンビにまで攻撃を加えることは出来ません。
出来れば爆発物、手榴弾や擲弾筒(グレネードランチャー)が欲しいところです。
しかし、歩兵携行火器ではいずれ限界が来ます。
山の様な人間を倒せる武器という特殊な存在は多くはありません。
そうなってしまえば、空対地誘導弾で広範囲な対地攻撃を実施したり、遠距離砲撃で面制圧をする必要があります。
街は廃墟になるでしょうが、爆撃・砲撃だけでは敵を根絶やしにすることはできません。
対ゲリラ戦と同じであり、戦車や戦闘機、攻撃ヘリの様な大火力を持ち出しても、最後に地域を奪還するためには歩兵が必要不可欠です。
そして、大部分のゾンビを減らせた以上、再度人間側が優位に立てます。
所詮は人間の身体の強度を維持しているのでコンクリートや鉄板を破壊できるわけではありませんし、空を飛べるわけではありません。
籠城するための防壁を作ることもそれほど難しくは無いでしょう。
【まとめ】
ここまでミリオタの妄想を垂れ流してきましたが、銃で武装した人間、特に組織戦闘が出来る人間がいれば、ゾンビに対して十分に対抗できることと思います。
もちろん、ゾンビそのものや略奪、混乱による事故などですさまじい数の人間が犠牲になるのは間違いないでしょう。
しかし、現在まで人類が営々と身に着けてきた武力というのは、もはやゾンビごときに揺らぐことはありません。
軍事というのは人間同士の戦いを有利に進めるために兵器、戦術共に発展してきています。
人体由来の化け物であるゾンビにも十二分に通用します。
不死=無敵ではないのです。
もしこれがDEAD SPACEに登場するネクロモーフや、SIRENに登場する屍人のような異形になると話は別ですよ。
これらの場合は、怪異そのものというよりもそれを発生させる状況の方がヤバいですが。
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