殺しを禁じられた殺し屋の話、
ザ・ファブル
その8巻から9巻の前半で描かれるのが、ネット広告で頻繁に紹介されている「佐藤洋子(ヨウコ)」と「河合くん」のテキーラバトルです。
この記事では、この有名な戦いのネタバレ解説をします。
ちなみに8巻のメインは「アキラ」と「クロカワ」の山籠りサバイバルになります。
ヨウコと河合くんのバトルは合間のギャグ回ですね。
マスター「違うよ河合くん 仕掛けられているのは君だよ… テキーラの沼に溺れた方が負け‼︎」
見事な小物になった河合君が見られるのが実写の魅力です。
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ヨウコと河合
ここでは簡単に二人について紹介します。
ヨウコ
佐藤洋子の偽名を与えられた、殺し屋組織「ファブル」の構成員。
主人公の佐藤明とコンビで仕事をしており、一年間の休業を命じられた現在はアキラの妹として振る舞います。
瞬間記憶能力を持ち、殺人の経験はないものの非常に高い戦闘力を持つ、鉄の肝臓とメンタルを誇る美女です。
アキラは一般人として仕事につきましたが、彼女は蓄えを切り崩しながら酒浸りの毎日を送ります。
男を自分に夢中にさせた上で酒に酔わせ、醜態を晒させてその姿を観察することを楽しむという、なかなかな趣味をお持ちです。
河合ユウキ
物語の舞台となるバー「バッファロー」でも有名な女たらしの青年です。
ちなみにメインストーリーに深く食い込むことはありません。
ハンサムな顔立ちに巧みな話術、高級腕時計とブランド物の衣服、香水、女ウケのいい趣味に全てを費やしているとヨウコに評価されています。
バッファローのマスターも、この店で河合くんに泣かされた女を何人も見ており、
「女から女へ蝶のように舞い、蜂のようにチンコを刺す」
と彼のことを認識しています。
仁義なき戦い
アキラが山籠りに入ったために暇を持て余したヨウコは、
以前バーでナンパしてきた河合くんに連絡をします。
それを喜んで受けた河合くんは、バーに先乗りしマスターと作戦会議を始めます。
自分がいかにモテるのかを自虐的にアピールし、ヨウコとの仲を取り持ってくれれば団体を連れてくると申し入れるほどにプレイボーイっぷりを見せてくれます。
しかし、マスターもこの道の「プロ」です。
河合くんはヨウコに出す酒は度数の高いウォッカベースのカクテルにして、自分には度数を下げたものを出すように依頼します。
女の子を酔わせてお持ち帰りするのに躊躇がありません。
しかしマスターは(フェアに行こうじゃないか)と無断で同じ度数の酒を出します。
ヨウコは「おいしー」と飲みますが、河合くんはアルコールの強さに顔をしかめます。
この時点で、どちらが優勢かは分かりますよね。
ヨウコは会話を巧みにリードし、
アウトドア好きなんですか?→キャンプで焼く肉は美味しい→肉にレモンをかけると美味しい→私はレモンに目がない
という流れで、レモンの合うお酒であるテキーラを二人で飲むという状況に持ち込みます。
ヨウコがどんな人物か知っているマスターは、この会話を「振り」だと理解してテキーラを勧めます。
ここから本格的なバトルになります。
やはりと言うか何と言うか、テキーラ20杯目(!!)を飲んだ時点でヨウコはほろ酔い、河合くんは酩酊状態に陥ります。
フラフラの彼に「酔い覚まし」だと言って鼻にピスタチオをねじ込んだり、
トイレで嘔吐している彼の「ペッ…だい…ヨ…ちゃ…」と息も絶え絶えで発した言葉を「ぺっ、大丈夫ヨウコちゃん」と言いたいんだなと理解しながら
「ぺ・ダイヨチャ、韓国の俳優みたい」と気に入ります。
完全にアウトな状況の河合くんですが、ヨウコとホテルに行きたいという強い想いから、泥酔状態でトイレから戻ろうとします。
ヨウコはそんな彼を「コンサートのオープニングを待っている気分」でワクワクしながら待ちます。
当然ですが、ここまで酔った人間は前後不覚に陥ります。
なんとかトイレから出たものの、まともに歩くことすらままならず、他の席に文字通りダイブしてしまいました。
そんな彼を見ながら、ヨウコはまるで最高級の見せ物を見ているかのように輝いた表情で楽しむというクレイジーな反応を見せます。
派手に転び、頭から血を流しながら懸命に立ち上がる河合くんを見たヨウコは、帰るためか河合くんを持ち帰るためか、
「タクシー!!」
とマスターに叫びます。
それに対して
「救急車や!!」
と返す常識人のマスターの対比がヨウコの強者感を演出します
そして終焉へ
9巻に入ると、このシーンを河合くん視点で描写しています。
性欲に支配された男の、笑い涙なしでは見られない強い意志が描かれており、一見の価値ありです。
同じ男として、ここまでチンチンに支配されているというのは、ある意味で羨ましいほどです。
私ならここまで食らいつくことはできません。
しかし河合くんはまるでブルドッグのように食らいつきます。
「今夜俺はお前とヤルのだ〜‼︎ ヤリまくってやるのだ〜‼︎」
と、他のお客さんがいる前で、心の叫びを無意識に声に出しながら懸命に立ち上がりヨウコの元へ戻ります。
それを見たヨウコは「このホラー感! これはスリル! そう、スリルだわ!」と心の底から楽しんでいる素敵な笑顔を浮かべています。
なんとかヨウコの隣に戻った彼は、マスターに水を求めます。
そこに手を差し伸べるのが大天使ヨウコ。
お水よ、と差し出された小さなコップ。
その慈悲深いヨウコを見た河合くんはコップの中身を一気に飲み干します。
「それテキーラ‼︎」
というマスターの声が届く前に…。
これが決定打になり、河合くんは急性アルコール中毒になり、ぶっ倒れ意識を失ってしまった上に、失禁(大の方)までしてしまうという不名誉な敗北を喫してしまうのでした。
慌てて救急車を呼ぶマスターを尻目に、河合くんの状態を確認するヨウコ。
呼吸も脈拍も安定しているので心配ないと告げ、明日は朝から兄(アキラ)の迎えがあるので帰ると冷静に、しっかりとした足取りで店を後にするのでした。
この戦いは、マスターからドランククイーンと評されるヨウコの圧倒的な勝利で終わりとなります。
テキーラについて
メキシコ原産の竜舌蘭(リュウゼツラン)という植物が原料のお酒で、度数は40度前後というやや強いお酒です。
非常に強いお酒というイメージがありますが、ウイスキーと同等ですね。
メキシコの地名「テキーラ」に由来した名前で、現地で作られていた上質な蒸留酒をテキーラと呼ぶようになりました。
テキーラにも種類があり、作中のように冷やしてショットでグイッと飲むのが美味しいものの他、香りや味わいをゆっくり楽しむものもあります。
ショットグラスは30〜90mlの容量が一般的です。
作中のサイズは分かりませんが、間を取って50mlと仮定しても20杯で1000ml。
アルコール量は400mlになります。
我々庶民の酒飲みの味方であるストロングゼロで換算すると500ml缶を8本以上飲むのと同じ量のアルコールを摂取したことになります。
それをどれくらいのペースで飲んでいたかは分かりませんが、カウンターを見るに、しっかりとした食事を食べながら飲んでいたわけではないようですので、短時間で体内に吸収されたことでしょう。
控えめに言ってヨウコの肝臓は化け物クラスですね。
それだけを飲んでも、酔うどころか冷静に状況をコントロールしていたのですから。
まとめ
実写は実写で面白いのがファブルの魅力の一つです。
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殺し屋がテーマの作品なので、各種アウトローな人々が登場します。
河合くんも、女を酒で酔わせてホテルに連れ込む常習者という、決して善人ではないキャラクターです。
しかし、今回は相手が悪かったと言わざるを得ません。
ヨウコがメインになる話はギャグパートのことが多く、河合くんの前にも、世話になっているヤクザの構成員の一人である「高橋」にも同じ遊びを仕掛けています。
河合くんとは、まさかの再戦を果たしています。
単行本16巻でアキラも交えてリモート飲み会を実施。
河合くんは懲りもせずバッファローで飲んでいたため、マスターに「またウンコを漏らすぞ」と内心突っ込まれていたりと、こちらの腹筋を攻撃してくるお話があります。
ぜひご一読ください。
ここまで女性に対して(というより性欲に対して)素直に頑張れる河合くんは、見ようによっては好感の持てるキャラクターです。
興味を持たれましたら、是非購入して読んでみることをおすすめします。
作品全体としてはギャグ要素もありますが、シリアスなシーンが多いです。
しかし、主人公のアキラが明らかに最強であることから、窮地に陥ることはほとんどありません。
このシーンを除いても非常に面白い作品ですので、一括購入、一気読みをおすすめします
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